2023年3月28日火曜日

正常の足においては、無意識的に「内転、回外、底屈の組み合わせで内返し」「 外転、回内、背屈の組み合わせで外返し」という肢位をとる。

   図解 関節・運動器の機能解剖 下肢編 共同医書出版社 より引用します。

2 屈曲ー伸展運動は、距腿関節で行われる。

 多少の屈曲ー伸展運動は、足部の他の関節部位……とりわけショパール関節でもなされうる。しかし、それらの動きは無視できるものとみなして検討する。

屈曲(背屈)ー 伸展(底屈)

2-1 屈曲(背屈)とは、下腿前面と足背により形成される角度を閉じることである。

 その平均値は20度である。しゃがみ動作の多いアジア人では、背屈は45°、またはそれ以上に達することがある。

2-2 伸展(底屈)とは、下腿前面と足背により形成される角度を開くことである。

 その平均値は40°である。個人差が大きい(30~60°)。

2-3 これらの運動は、矢状面と15°前外方に開いた垂直面で行われる。

 屈曲ー伸展の運動面は、(後下方に位置する)外果と(それより前外方に位置する)内果とを通る軸に垂直である。これは、足関節の機能のおおまかな見方にすぎないが、実際上はこれで十分である。

 背屈の際、足尖が自然と上外方を向き、一方底屈の際は下内方を向くことを、自分自身で確かめることができる。

2-4 相対的肢位、つまり解剖学的肢位においては下腿に垂直である。

 しかし、距骨だけを考慮すると、距骨の(体部、頸部、頭部を通る)前後の長軸は、解剖学的基本肢位では脛骨軸に垂直ではなく、15°底屈している。

3その他の足の運動

 分析上、距腿の運動(底屈、および背屈)からの他の運動を区別して考える場合でも、他の運動を考慮する必要がある。なぜなら、実際は他の運動も距腿の運動と組み合わさっているからである。足部と足関節は、多関節の組み合わせであり、その中で遠位(足部)の関節が運動筋が近位(距腿)の関節に多少とも影響を与える。

内転ー外転

3-1 内転と外転

  • これらの運動は、(下腿の垂直軸に直交する)水平面で行われる。
  • 内転では、足尖は内方を向く(体の対称面、または矢状面に近づく)。
  • 外転では、足尖は外方を向く(体の対称面より遠ざかる)

回外ー回内

3-3 回内と回外

  • これらの運動は、前額面と足部の矢状軸(第2趾列を通る軸)に垂直な面で行われる。
  • 回外では、足尖は内方を向く傾向がある。
  • 回内では、足尖は外方を向く傾向がある。

内返しー外返し

3-3 正常の足においては、無意識的に運動の組み合わせがおこっている。

  • 内転、回外、底屈が組み合わされて、足は内返しという肢位をとる。
  • 外転、回内、背屈が組み合わされて、足は外返しという肢位をとる。

外反と内反

3-4 距骨(または後足部)では、回外、および回内は、一般的には内反、および外反と呼ばれる。

  • 後足部の回外(内反)は、踵骨の外側面を地面につけようとする動きである。
  • 後足部の回内(外反)は、踵骨の内側面を地面につけようとする動きである。

 内反、および外反の動きは、ほとんどいつも内転、および外転の動きと関連している。その意味から、これらの運動は次のように定義されることもある。

  • 内反:底屈なしで、内転と回外が組み合わさった運動。
  • 外反:背屈なしで、外転と回内が組み合わさった運動。

 引用ここまで

 安部塾では、ボディローラーミニでふくらはぎをほぐすとき、内返しと外返しを使います。内返しではふくらはぎの内側面が、外返しではふくらはぎの外側面がローラーに触れます。