2023年3月22日水曜日

頭部の前方突出:自動的な顎引きによる不良姿勢の改善。ボディローラーミニが効く理由。

 エッセンシャルキネシオロジー 南江堂 より引用します。

頭頸部

 頭頸部は、環椎後頭関節、環軸関節、C2~C7までの頸部の関節の3種類の関節の連結である。頭頸部は、脊椎の運動の中でもっとも可動性が高い。この領域の個々の関節は、頭部のポジショニングのために協調的に機能し、視線を目標に向けること、音を聞くこと、目と手を強調させること、身体の平衡を保つこと、などに重要な役割を果たす。

頭部の前方突出:自動的な顎引きによる不良姿勢の治療

 頭部の前方突出は、頭頸部領域の不良姿勢のひとつである。これは典型的にはテーブル上に置かれた本を読むときのように、長時間にわたって頭部を過度に前方の位置へ保持する姿勢である。また頭部の突き出しによって、下位頸椎は屈曲し、上位頸椎は伸展(通常は過伸展)する(図8-27.A)。

 長期にわたると、上位頸椎の筋や靱帯が短縮し、この部分の骨構造が接した状態になじんでしまう(図8-27.Aにおいて、頭蓋底面にC1とC2の棘突起が接近していることに注目しよう)。

 この頭部の前方突出の治療のひとつが、顎を引くことである(図8-27.B)。顎を引くことは、実質的に頭部を後方へ引きつけることにつながる。この運動により、下位頸椎は伸展し、また上位頸椎は屈曲して、頭部の前方突出が抑制される。またこの運動を定期的に行うことによって、頭部の前方突出が改善されることも多い。

図8-27
 頭部の前方突出および後退。

A:前方突出の際、上位頸椎は伸展するのに対して、下位頸椎は屈曲する。
B:対照的に後退の際は、上位頸椎が屈曲するのに対して、下位頸椎は伸展する。
(Neumann DA:Kinesiology of the musculoskeletal system:oundations for physical rehabilitation,ed 2,St Louis,2010,Mosby,Figure 9-47 より)

引用ここまで

 顎を突き出した前屈み姿勢の人を観察してみると、胸鎖乳突筋が床に対して垂直に近くなっている状態になっているのがわかると思います。一般的には猫背と呼ばれています。現代生活において、パソコン作業や、車の運転をするときなどに頭部を前方突出させる悪癖があると、不良姿勢が固定化されてしまいます。

 頸部の筋活動や咀嚼筋を亢進させてしまうため、後頭部から上背部の筋を緊張させて緊張型頭痛の原因になったり、全身に痛みやコリを生み出します。
 
  1. 頭が脊柱より前方に突出してしまうと、頭部の重みで頭が下がってしまいます。自ずと視線が下がり、床を見るかたちになります。
  2. この状態で前方を見るためには、後頸部・背部の筋群で頭部を吊り上げて頭蓋を水平にバランスしなければなりません。
  3. この状態が長時間続くことで、後頸部・背部の筋群が疲労して筋痛が生じ、肩こり・緊張型頭痛・顎の痛みやだるさとして感じられるようになります。
 面白い研究結果が、あります。


「頭頸部位置を変えるだけでは疲労や筋活動は変化しないことを意味しており、さらに僧帽筋上部線維の筋活動異常を是正することが重要である」

 ボディローラーミニが効く理由のひとつだと思います。

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