筋ほぐし~ソフトタッチテクニック |
パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか 岡田 尊司283-285Pより抜粋
パーソナリティ自体は、その人の人柄であり、そう簡単には変わらないし、変える必要もない。しかし、パーソナリティ障害は、パーソナリティの度が過ぎて社会に適応して生きていくのを邪魔している部分なので、変える必要があるし、実際、変えることができる。
パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。年々、周囲の評価も高まり、信頼や愛情に恵まれるだろう。それに反して、パーソナリティ障害を引きずったまま年取った人は、周囲から煙たがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り巻かれることになる。本当に信頼できる人は離れていき、次第に孤独になっていく。 そこそこの年になれば、人は自分のパーソナリティに対して責任があると思う。中年になっても、子供のように自分勝手に振舞い、自分を省みることもない、情けない大人にならないように、自分のパーソナリティと生き方を磨き続けて欲しい。
問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、30代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とてもいい持ち味を発揮するようになる。
年を重ねるということは、極端な偏りを修正してくれ、適応力を高める。ただし、逆の場合もある。若い頃はそうでもなかったのに、年とともに、性格がいやらしく、捻じ曲がってくることもあるし、傲慢になったり、横暴になったりすることもある。結局、その人の生きてきた人生が、表れるのである。
引用ここまで
慢性痛の研究をしていると、『認知の歪み』の問題を学べます。
認知の歪みとは、『誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)』です。
認知の歪みは筋緊張を高め、抑うつや不安を永続化させてしまいます。
デビッド・D・バーンズは、『気分や感情は事実ではなく、逆に「歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出す」』としています。
現実を不正確に認識させ、否定的な思考や感情を再強化してしまうのです。
そしてこの『マイナスの気分』は、筋肉の索状部位の中にある硬結とつながっています。
筋ほぐしを成功させるためには、認知の改善(Cognitive restructuring, CR)が必要です。
認知の歪みを特定し、これを打ち破るのです。
歪んだ思い込みに囚われたままで、筋緊張をゆるめることはできません。
歪んだ思い込みは、ストレスフルな状況を生み出すからです。
リンク先の記述をお読みください。
→ 慢性痛に対する幼少期ストレスによる脳神経機能異常の影響 - J-Stage
慢性痛のときの脳は代謝が落ち、血流やカルニチンなどの伝達物質が減っています。
セロトニン神経系のダメージが大きくなることで、痛みの感受性が高まります。
脳機能も低下し、筋肉痛や関節痛などの症状を引き起こします。
筋肉痛の原因の75~95%がトリガーポイントであることを考えると、つながりが想像できます。
慢性痛のときの脳では、扁桃体、海馬、帯状回、視床、中脳、橋など部位での炎症が起きています。
健常時ときの脳と比較すると、明確な差があります。
健常時のときの脳にとっては何でもない行為が、慢性痛のときの脳には負担となります。
ほんの少し歩いたり、運動したりするだけでも、すぐに炎症が起きてしまうのです。
炎症が起きている脳は、繊細な感受性を失います。
慢性痛のときの動作が粗雑な理由です。
厄介なのは、自分の認知に歪みがあるという自覚がないという場合です。
自分の認知の歪みの問題だと理解できる人は、パーソナリティの円熟を目指せます。
まわりのせいにしてしまう人は、パーソナリティ障害をこじらせて孤立します。
脳の炎症は孤立することでさらにひどくなります。
慢性痛が長く続くと、MRIの画像で海馬の萎縮が見られるようになります。
たかが筋緊張と甘く考えていると、脳機能が低下し続けてしまうことになるのです。
私は、カギとなるのは『愛着の安定』だと考えています。
愛着が安定している人は、自分が信頼して愛着している人が自分のことを愛し続けてくれると、安心しています。
信頼して愛着している人からの愛情がなくなるなんて、考えもしません。
助けて欲しいときも、まわりの人は助けてくれるという信頼感が強く、気軽に援助を求めることができます。
対人関係のバランスがよく、楽しみながらプロジェクトに取り組めます。
愛着が安定していると、ストレスをためこまずに人付き合いができるのです。
何より、愛着が安定している人は、前向きで素直です。
人からの反応や言動をありのままにとらえます。
自分自身に対しての圧倒的肯定感や信頼感があるからです。
他人の言動に左右されずに、楽しく過ごすことができるのです。
愛着が安定している人は、自分が相手の意見を否定したり、要求を拒否したりしても、相手が自分のことを好きでいてくれると確信しています。
自分の考えや気持ちを言葉にして表現することは、相手を否定することではないのです。
自分の意見や気持ちを偽ってまで、相手に合わせたりしません。
思ってもいないことを口にしたり、表情をつくったりして相手を操作しようなんて考えません。
相手を尊重し、信頼しているからこそ、自分の意見や気持ちの本音をストレートに口にします。
ストレートなやり取りこそが、相互理解につながると感じるからです。
話し合いも、感情的対立からの勝ち負けへのこだわりがありません。
相手の考えを認めても、自分の居場所が脅かされるとは感じないのです。
存在や立場を脅かされると感じないので、相手を侵害することがありません。
扁桃体の暴走=不安・恐怖から自分を守るための逃走・闘争モードに入らないのです。
もうおわかりだと思いますが、愛着が安定している人の脳機能は健全です。
結果として、痛みを抑制するシステムが機能します。
相手を尊重するソフトタッチで触れることによって、
相手から尊重されるソフトタッチで触れてもらうことによって、
私たちの心が満たされ、愛着が安定し、脳の機能が健全になるということなのです。
侵害刺激を用いて相手の筋肉を潰そうとする人は、それが理解できていません。
相手を尊重しなければ、愛着はいつまでも安定しません。
相手を支配することでは、愛着は安定しないのです。
まずは、ソフトタッチで相手に触れるということはどういうことなのかを学んで欲しい。
そして、前向きに素直に触れ合って欲しい。
各地でソフトタッチテクニックの講座を開催していくことにしました。
問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、30代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とてもいい持ち味を発揮するようになる。
年を重ねるということは、極端な偏りを修正してくれ、適応力を高める。ただし、逆の場合もある。若い頃はそうでもなかったのに、年とともに、性格がいやらしく、捻じ曲がってくることもあるし、傲慢になったり、横暴になったりすることもある。結局、その人の生きてきた人生が、表れるのである。
引用ここまで
慢性痛の研究をしていると、『認知の歪み』の問題を学べます。
認知の歪みとは、『誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)』です。
認知の歪みは筋緊張を高め、抑うつや不安を永続化させてしまいます。
デビッド・D・バーンズは、『気分や感情は事実ではなく、逆に「歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出す」』としています。
現実を不正確に認識させ、否定的な思考や感情を再強化してしまうのです。
そしてこの『マイナスの気分』は、筋肉の索状部位の中にある硬結とつながっています。
筋ほぐしを成功させるためには、認知の改善(Cognitive restructuring, CR)が必要です。
認知の歪みを特定し、これを打ち破るのです。
歪んだ思い込みに囚われたままで、筋緊張をゆるめることはできません。
歪んだ思い込みは、ストレスフルな状況を生み出すからです。
リンク先の記述をお読みください。
→ 慢性痛に対する幼少期ストレスによる脳神経機能異常の影響 - J-Stage
慢性痛のときの脳は代謝が落ち、血流やカルニチンなどの伝達物質が減っています。
セロトニン神経系のダメージが大きくなることで、痛みの感受性が高まります。
脳機能も低下し、筋肉痛や関節痛などの症状を引き起こします。
筋肉痛の原因の75~95%がトリガーポイントであることを考えると、つながりが想像できます。
慢性痛のときの脳では、扁桃体、海馬、帯状回、視床、中脳、橋など部位での炎症が起きています。
健常時ときの脳と比較すると、明確な差があります。
健常時のときの脳にとっては何でもない行為が、慢性痛のときの脳には負担となります。
ほんの少し歩いたり、運動したりするだけでも、すぐに炎症が起きてしまうのです。
炎症が起きている脳は、繊細な感受性を失います。
慢性痛のときの動作が粗雑な理由です。
厄介なのは、自分の認知に歪みがあるという自覚がないという場合です。
自分の認知の歪みの問題だと理解できる人は、パーソナリティの円熟を目指せます。
まわりのせいにしてしまう人は、パーソナリティ障害をこじらせて孤立します。
脳の炎症は孤立することでさらにひどくなります。
慢性痛が長く続くと、MRIの画像で海馬の萎縮が見られるようになります。
たかが筋緊張と甘く考えていると、脳機能が低下し続けてしまうことになるのです。
私は、カギとなるのは『愛着の安定』だと考えています。
愛着が安定している人は、自分が信頼して愛着している人が自分のことを愛し続けてくれると、安心しています。
信頼して愛着している人からの愛情がなくなるなんて、考えもしません。
助けて欲しいときも、まわりの人は助けてくれるという信頼感が強く、気軽に援助を求めることができます。
対人関係のバランスがよく、楽しみながらプロジェクトに取り組めます。
愛着が安定していると、ストレスをためこまずに人付き合いができるのです。
何より、愛着が安定している人は、前向きで素直です。
人からの反応や言動をありのままにとらえます。
自分自身に対しての圧倒的肯定感や信頼感があるからです。
他人の言動に左右されずに、楽しく過ごすことができるのです。
愛着が安定している人は、自分が相手の意見を否定したり、要求を拒否したりしても、相手が自分のことを好きでいてくれると確信しています。
自分の考えや気持ちを言葉にして表現することは、相手を否定することではないのです。
自分の意見や気持ちを偽ってまで、相手に合わせたりしません。
思ってもいないことを口にしたり、表情をつくったりして相手を操作しようなんて考えません。
相手を尊重し、信頼しているからこそ、自分の意見や気持ちの本音をストレートに口にします。
ストレートなやり取りこそが、相互理解につながると感じるからです。
話し合いも、感情的対立からの勝ち負けへのこだわりがありません。
相手の考えを認めても、自分の居場所が脅かされるとは感じないのです。
存在や立場を脅かされると感じないので、相手を侵害することがありません。
扁桃体の暴走=不安・恐怖から自分を守るための逃走・闘争モードに入らないのです。
もうおわかりだと思いますが、愛着が安定している人の脳機能は健全です。
結果として、痛みを抑制するシステムが機能します。
相手を尊重するソフトタッチで触れることによって、
相手から尊重されるソフトタッチで触れてもらうことによって、
私たちの心が満たされ、愛着が安定し、脳の機能が健全になるということなのです。
侵害刺激を用いて相手の筋肉を潰そうとする人は、それが理解できていません。
相手を尊重しなければ、愛着はいつまでも安定しません。
相手を支配することでは、愛着は安定しないのです。
まずは、ソフトタッチで相手に触れるということはどういうことなのかを学んで欲しい。
そして、前向きに素直に触れ合って欲しい。
各地でソフトタッチテクニックの講座を開催していくことにしました。