明日からの東京集中講座は、呼吸と脊柱についてみっちりやりたいと考えております。
吸う・吐くにおける脊柱の基本的な動きは下図の通りとなります。
脊柱と呼吸 |
頭蓋骨と頸椎の境目には「後頭下筋群」があります。他の筋肉を圧倒する数の(筋紡錘=筋の長さや張力などの変化を感知する受容器=センサー)があり、全身の姿勢バランスを微細に操作するためにはたらいています。
頭蓋骨の重心からおろした重力線は、全身の重力線よりも前方に位置します。また、頭蓋骨の重力線は環椎後頭関節(頭蓋骨と頸椎の境目)よりも前方に位置します。なので、頭は自然に「うなずく」仕組みになっています。環椎後頭関節が頭蓋骨の重心よりわずかに後方に位置すると、あごがひける仕組みです。重力によってあごがひかれると、背部にある性能が高い姿勢筋に作用して背筋が伸び、下方に向かう重力の力を打ち消すことができます。
ダメな動きをしている人の姿勢や動作を観察してみましょう。頭頸部のアライメント(配列)や筋緊張をみてみると、頭部を後屈し、筋活動を高めているのがわかります。首の後ろ側をつぶしているのです。これにより、脊柱の不安定性が生まれ全身の筋緊張を高めることになり、歩行(前方移動)の動きがきたなく歪んでいるのがわかります。この場合、エクササイズが裏目に出て、さらに崩壊が進みがちです。身体表層部の筋肉群を促通して安定性を高めてみたところで、それは外見上だけ身体が整ったにすぎません。身体内部では関節アライメントの崩壊が加速していきます。
さきほどの図でわかるように、首の後ろ側が短くなっている(緊張している)としたら、吐いたときに脊柱が短くなってしまいます。腹壁がへなへなになり、身体がつぶれ、全身が過剰緊張状態に陥ります。優れた人たちを観察してみましょう。吐く息とともに脊柱が長く伸びているのがわかると思います。首が楽に伸びている優れた人たちは、吐くときに上に伸びていきます。首を苦しく圧縮している人たちは、吐く息とともに下に縮んでつぶれていきます。
詳細は、明日からの東京集中講座にて解説いたします。