2018年12月9日日曜日

地味な機能的身体操作(ファンクショナルボディコントロール)が、動きを美しくする。

12月14・15・16日(金・土・日)の安部塾東京集中講座は、

『機能的筋トレ&ストレッチング』をやります。

先日の大阪集中講座の様子です(肩関節・膝関節)。

上肢のストレッチング

上肢のストレッチング

ちゅう
(*´σー`)エヘヘ

というわけで、ほんとに地味な内容です。

地味であるがゆえ、練習を積み重ねると、動きが美しくなります。

意味がわかるのは、できるようになった瞬間です。

神経系のデバック(バグの修正)が終わると、見違えるように美しく動きます。


身体操作の基礎を学び始めると、『もうわかった感』が生じます。

これ、修正が難しいバグです。

「わかっていないことがわかっていないと、バグの修正ができない」ですから。

そして、身体操作独特のトートロジーが、『もうわかった感』を加速させてしまいます。


身体操作法は、身体操作理論で証明するほかありません。


砂鉄さんが、こんなTweetをされていました。



身体操作法で求められているのも、美しい人間です。

しかし、それを教えるには、機能解剖学的な正解が必要です。

なので、機能解剖学を学ばなければいけません。

そして、それがわかっているのが大前提で、本番はそこからなのです。


少し身体を動かせるようになると、盛大な勘違いが始まります。

『もうわかった感』というバグです。


バグに気がつかせる方法はいくつかあります。

いちばんわかりやすいのは、即興舞をやらせることです。

一瞬でフリーズして、身体の動きが止まったり、不審な動きとなります。

頭でイメージした物語の通りに身体が動くところまで昇華できていないからです。


連続した動作の場合、静止画はあまり美しくはありません。

動画は美しいです。

生(ライブ)で見ると、ほんとに美しいです。

もうおわかりだと思いますが、『もうわかった感』は静止画だけにこだわっています。


その静止画も、修正しまくりますが。


『もうわかった感』が恐ろしいのは、実際はできるようになっていないのに、できるようになった気がするという点です。

なんでもそうですが、途中でやめると危険です。

わかりやすいのは、依存症からの脱却時の離脱症状です。

どんな場合でもそうですが、『良くなったような気がするとき』は良くなってはいないものです。


美しさは、何年もかけてつくるものです。

水龍の舞 ひふみ

ろくに理解できてもいないし、身体も美しくない状態での、『もうわかった感』。

そこで地道な練習をやめてしまったら、そこからのバグの嵐を止めることはできません。


ひとつ目安があります。

歌を聴くとき、歌詞を聴いているか、音楽と身体が一体になっているかです。

「~の歌がいい」というとき、「歌詞が~」って言う人の動きはバグだらけです。

バグがなければ、旋律に合わせて身体が反応しているはずです。


Navras for KAGUZUCHI からの



さすがのパフォーマンスです。


そして、これ。




次元が違う再生回数(笑)。

そして、シャンティマントラが響きます。

うちの舞部でも、近々やりたい。

もちろん即興で。


アサトーマ サッドガマヤー(真実でないものから真実へ)
タマソーマ ジョーティルガマヤ(闇から光へ)
ムリッティヨールマ(滅びゆくものから不滅のものへ)
アムリタムガマヤ(どうかわれらを導きたまえ)


話を戻して、

私は身体操作練習のときの音楽の使用はしません。

バグの修正は、自分の呼吸をベースに実行する必要があるからです。

集団力学も用いません。

地味に、淡々と、自分の課題に向き合います。


12月の東京では、デバックの解説もしたいと思います。

2018年12月8日土曜日

ヨガ~『脊髄の根元に』蛇がとぐろを巻いている存在は、人の姿をしていても本質的には蛇なのではあるまいか。

私が尊敬する在野の民俗学者の吉野裕子先生(1916年 - 2008年4月18日)。

現在の私の活動の根底には、高校生の時に読んだ先生の御本の影響が大です。

在野研究のススメvol.04 : 吉野裕子Add Star

私がフィールドワークに頼った研究をするのは、先生の影響が大きいです。

先生の天才ぶりには、年を重ねるほど、驚かされています。


日本古代呪術 陰陽五行と日本原始信仰 講談社学術文庫

この本の解説(300P)で、小長谷有紀氏が、

彼女は悔しくてしかたなかった。

もうね、死んでから認められるかなと。何とかバランスを取って生きているのよ。突き詰めて考えりゃ、ほんと悔しいわよ。こんなわかりきったことなのに。なんでみんなわかってくれないかと。ほんとにどうにかなっちゃいそうよ

引用ここまで

と、書いておられます。

同じように感じて50年間生きてきましたが、吉野先生は50歳から活動を始めたわけです。

先生が、舞の『扇』についての本を書かれていなかったとしたら、現在の私はありません。

蛇 日本の蛇信仰(吉野裕子著)

この本の解説(312-313P)で、村上光彦氏が、

人間とは、『仮に人間の姿となっている蛇』だとする吉野さんの言説は、古代文明に関心のある者にとってはけっして奇矯には聞こえない。ヒンドゥー教のシヴァ神の像には蛇が付き物だが、この神秘的な蛇はタントラ哲学ではクンダリーニと称され、人間の脊髄の根元につねにとぐろを巻いているという。それはいっさいの性的・霊的エネルギーの源泉で、ヨガ行者はその修行によってクンダリーニを目覚めさせることに努めるのだそうだ。『脊髄の根元に』蛇がとぐろを巻いている存在は、人の姿をしていても本質的には蛇なのではあるまいか。

引用ここまで

と、書いておられます。

同感です。


脳機能の勉強をすれば、すぐにそれが理解できます。

私たちの脳には、『爬虫類』の機能を備えた部位があります。

カール・セーガン著『エデンの恐竜――知能の源流をたずねて――』によれば、
 「人類は生物進化の最終段階にいるが、そうした人間の脳の中には、当然、その進化途上の各段階の生物であった時の部分もくみ込まれている。つまりR(爬虫類)複合体とよばれる脳の一番奥の部分は恐竜の脳の働きをしている。それを取まく大脳縁辺系は、哺乳類の祖先との共有であり、更に外側の新皮質は霊長類としての人間の理性を掌る。人間が人間たり得ているのは、脳の八五パーセントを占めるこの新皮質のおかげであるが、しかもなお脳はこの三位一体で構成され、根本的には三者の力のバランスの上に成り立っている。」
という。つまり人間の脳の中には明らかに恐竜という古代生物が生きているのである。まことにショッキングなことではあるが、動かし得ない事実であって、著者は、「龍(爬虫類)」をこわがるとき、われわれは自分の一部をこわがっているのだろうか。」と問いかけている。

引用ここまで


昨年の大晦日に鹿児島の竹屋神社で『阿多山神之舞』を納めました。

『阿多のやまつみ(山の蛇)』ということになります。

それゆえの大蛇面です。

私の即興舞の根本には、「人は、本質的には蛇である」という考えがあります。

阿多山神(阿多山つ蛇)



その昔、私がヨガを研究した理由も同じです。

それゆえ、ポーズ自慢するナルシシズム系の流れには乗らずに済みました。

いまだに、まったく興味がありません。

私にとってヨガは、ナーガ(世界蛇)のような美しい動きを学ぶためのメソッドなのです。


そして、本質的に自分が蛇であることを知る旅が、ヨガだと考えています。

ヨガの語源「ユジュ」は、『縛りつける=結う』ですから。


人間とは、『仮に人間の姿となっている蛇』

なのです。


余談ですが、『蛇=巳=み』です。

安部塾舞部の舞人の名前を見てみましょう。

き・とも・ひふ・な

『み』の字が入っています。


ちなみに、蛇の古語は『かか』。

よした・たな・ふくお・なにし


『ち』は、「いかず霊(雷)」「おろ霊(大蛇)」「みず霊(水霊)」……

『ち』が入っている舞人は、独特の舞を舞います。

たぐ


まあ、ただの偶然です(笑)。


ヨガと舞がどうつながるのかよくわからないって、よく言われます。

そもそそ、シヴァ=ナタラージャ(舞踏王)なんですけどね。

そもそも、シャクティ=赤蛇(シャクジ)ですし。

吉野先生の『日本人の死生観』を読んでいただければ、わかってもらえるかもしれません。


人間とは、『仮に人間の姿となっている蛇』

なのです。

大切なことなので、3回書きました。


龍蛇のように舞えるようになって、はじめてわかる世界があります。

『初=華=はな』です。

『はな』を大切にしましょう。

自分が、本質的には蛇であることを知る旅は最高です。


みんなでUZUハウスで舞って思いました。

「脳機能を改善するには、舞うのがいちばんいい。だけど、みんなわかってはくれない」

で、吉野先生の言葉を思い出しました。

私はちょうど50歳、ここからフルブーストかけていきます。


悔しがるのは老後にします(笑)。

2018年12月5日水曜日

肩と膝の関節を守る~舞うように生きる

明日(6日)は、安部塾大阪集中講座です。

肩関節と膝関節の機能的ストレッチングと運動の解説をします。

膝関節と肩関節

『痛みのサイエンス』によると、炎症は『強すぎる運動』で悪化します。

軽くて正しい運動が炎症を抑えます。

肩・膝の痛みを訴える人たちの動きを、少し観察してみればすぐにわかります。

乱暴で粗雑で、強い直線的な動きであることが。


丁寧で微細で、弱く螺旋的な動きの人たちは、肩・膝を壊しません。

舞の名手で、型・膝を傷める人が皆無なのが、それを実証しています。


舞の名手でなくても、このくらい動ければ大丈夫です。




かつて、足首と膝がボロボロだったひふみちゃん。

その昔、質の悪い指導者についていたのが原因でした。

今回は、基本技のサイドワインダー(ガラガラヘビ)を練習させました。

膝と肩の連動が滑らかになるので、ケガとは無縁となりました。


珠(クリスタルボール)を操ることで、手と肩と膝と足の連動も良くなります。

舞うように生きると、関節の問題に悩まなくてよくなるのです。


明日の大阪で、肩・膝の動かし方について熱く解説します。

2018年11月29日木曜日

膝窩筋と膝関節の安定

今日の薬院校グループレッスンは、明後日からの安部塾薬院校開校4周年記念講座(ウズハウス)に備えて、膝窩筋の筋ほぐしを解説しております。

足部が地面に固定されているとき、大腿骨を外旋します。

下肢に体重が乗っているときに、脛骨を内旋します。

膝関節の屈曲を補助します。膝関節完全伸展位のロックを外し、下腿を屈曲させます。

膝関節後方にある靭帯を補強します。

しゃがむ動作、かがむ動作、歩行、走行、階段昇降時の膝裏の痛み。膝のこわばり、足底筋膜炎。慢性的なふくらはぎの短縮。腰の痛み。脚の痙攣。

……が、適応です。

膝蓋靭帯と付着部と合わせて、スーパートリガーポイントです❤️

2018年11月26日月曜日

前腕の機能的ストレッチングで、上半身を整える。

昨日は、下関集中講座でした。

前腕の重要性を、熱く解説しました。

前腕 手関節背屈・回外

参加者のみなさんに、上体が軽く動きようになるという体験をしてもらいました。

アームラインの図を見てもらい、いろんな動きをしてもらいました。

アームライン

12月1・2日の安部塾薬院校開校4周年記念講座で、詳しく解説します。

明日、内容の詳細をまとめたいと思います。


そして、12月1日の19:00から、余興で龍舞をやります。

龍舞だけ観に来るのもOKにする予定です。

水俣の感動を再び。

水龍 地龍

あ、なみさんが「みずち」から「龍」になります。

みずち なみこ

これから余興の龍舞のプロットをつくります。

お楽しみにw

2018年11月24日土曜日

地龍之舞を舞いました~積み重ねてきた動きしか、土壇場では出てこない。

11月23日(金・満月)水俣の浜八幡宮で、龍舞を奉納させていただきました。




今回も、即興舞です。

水龍(ひふみ)から龍珠を受け継ぐ場面が、カポエラっぽくなりました(笑)。

風龍(ともみ)に翼を受け継ぐ手前までを舞いました。

帰宅して動画を観ながら、ほぼ記憶に残っていない動きばかりなのがいつも通りだなって思います。

そして、積み重ねてきた動きしか、土壇場では出てこないんだなって実感しています。


12月1日の下関ウズハウスでの、安部塾薬院校開校4周年記念講座で舞います。

夕食の時の余興で。


明日の下関集中講座の休み時間に、水俣の舞の動画を鑑賞します。

お楽しみに。

2018年11月22日木曜日

上体反らしは、腰ではなく背中を反らせる~胸をひらく。

上体反らしのとき、腰だけを反らせている人をたまに見かけます。

胸をひらいて背中で反るという基本の動きをしない代償は、意外と高くつきます。

背中の反らせ方

今月の安部塾では、股関節の操作で胸をひらくコツを解説しています。

グレイ解剖学 股関節の進展と屈曲
こんな感じでごにょごにょ(笑)。

股関節の操作

上体反らしは、やり方を間違えると、よい結果につながりません。

メンタルをやられているときは、判断を間違うので注意が必要です。


股関節を正しく操作する練習をして、胸をひらいてみましょう。

気分が明るくなります。