2016年2月29日月曜日

骨盤底筋群メモ~睾丸の引き上げ・膣の引き締め上げ


安部塾の身体操作では、骨盤底筋群をしっかり意識します。

お腹の引き込み(腹横筋の収縮)と軸進展(多裂筋の作用)と合わせて。

骨盤底筋群は、膀胱・子宮・直腸などの骨盤内臓器を支えています。

こんな感じの、ハンモック状です。

骨盤底筋群


恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋は膣と直腸下端を締めます。

直腸の下端を挙上・反転することで排便を補助します。


坐骨尾骨筋は、尾骨を前方に牽引します。

尾骨の根元は仙骨につながっているので、仙骨はのけ反ります。


骨盤底は腹横筋と共に収縮します。

内骨盤筋膜は、内臓を持ち上げます。

骨盤隔膜は、骨盤内臓器を支持します。

会陰膜・会陰浅層筋肉は、左右から骨盤隔膜を引き締めます。

内臓を下から支えることで、腹圧を調整する機能があります。


骨盤底筋群には、尿道・膣・肛門を締める機能があります。

腹部の引き込みをしたとき、骨盤底筋群が同時収縮しているのが観察されます。

同時に。多裂筋も作用して、体幹を安定させてくれているのがわかるはずです。


横隔膜とは相反する関係にあります。

骨盤底筋群と横隔膜



で、どのように意識をするか?

①排尿中に、おしっこを止める感じ

②睾丸を引き上げる感じ

③膣を引き締め上げる感じ


さすがに、誘導で②③を使うのはどうかとも思いますが(笑)。

あ、僕は、しれっと使います。


最後に、塾生向けの課題。


■骨盤底筋群前部

会陰横筋、生殖隔膜・坐骨海綿体筋・会陰横筋・球海綿体筋

■骨盤底筋群後部

肛門挙筋(骨盤隔膜)・肛尾靭帯

お腹を凹ませる~腹筋群の正常な機能によって、横隔膜は正常に作用できるのです。

息を吐いたときに、美しくお腹が凹むのは、腹筋群の力です。

腹筋群
こんな感じの積層構造です。

腹筋群

表層から、外腹斜筋・内腹斜筋・腹直筋・腹横筋の順です。


外腹斜筋

■起始

第5~第12肋骨外面

■停止

腹直筋鞘前葉・そけい靭帯・腸骨稜外唇前半

■作用

体幹を屈曲(胸郭の引き下げ)・側屈する・反対側に回旋


内腹斜筋

■起始

胸腰筋膜深葉・腸骨稜中間線・そけい靭帯

■停止

腹直筋鞘・第10~第12肋骨の下縁

■作用

体幹を屈曲(胸郭の引き下げ)・側屈・同側に回旋


※外腹斜筋と内腹斜筋の体幹回旋作用は逆方向

外腹斜筋・内腹斜筋と体幹の回旋方向

トリガーポイントは、こんな感じ。

腹斜筋とトリガーポイント


いろいろ大切な場所です。

股関節の機能異常と内腹斜筋の機能低下のお話は、よく知られていますよね。

股関節とそけい部
で、呼吸のお話です。

自然に息を吸うときは、横隔膜の弛緩による胸郭の縮小・肺の弾性・拡大した胸郭の復元力が働くので筋収縮の必要はない。

しかし、吐き切る=強制呼気では筋活動が必要。

呼気筋で胸郭を引き下げることで、強制的に息を吐くことができる)


■強制呼気筋(息を吐くときに使う筋肉)

・内肋間筋(横・後部)
・内腹斜筋
・外腹斜筋
・腹直筋
・腹横筋(補助筋)
・肋下筋(補助筋)
・胸横筋(補助筋)
・腰方形筋(補助筋)
・広背筋(補助筋)


■吸気筋(息を吸うときに使う筋肉)

・横隔膜
・外肋間筋
・内肋間筋前部
・胸鎖乳突筋(強制吸気)
・斜角筋群(強制吸気)
・大胸筋(強制吸気)
・小胸筋(強制吸気)
・僧帽筋(強制吸気)
・肩甲挙筋(強制吸気)
・脊柱起立筋群(強制吸気)
・上後鋸筋(強制吸気)
・肋骨挙筋(強制吸気)


カパンジー機能解剖学3(脊椎・体幹・頭部)より、ざっくりとまとめ。


腹筋群(吐く)と横隔膜(吸う)には拮抗作用があるが、共同作用もある。

筋群が機能的に働かないと、横隔膜は効果的に作用することができない


息を吸うとき、横隔膜は下方へ動きつつ元に戻りながら、下位肋骨を挙上させる。

腹筋群が機能していないと、腹腔内臓器が前下方に押し出されてしまう。

そうなると、横隔膜は下位肋骨を挙上させることができない。

お腹を出して息を吸って生きている人が、下位肋骨を動かせなく理由である。

息を吸うときに、腹筋群は横隔膜の共同筋となっている。


息を吐くとき、横隔膜は弛緩して、腹筋群の働きで胸郭底を上げる。

同時に、胸郭の左右径と前後径を減少させる。

腹腔内圧の増加により内臓は上方に押し上げられる。

胸郭の上下系も減少し、肋骨横隔膜陥凹は閉じる。

腹筋群が胸郭の3方向の直径を同時に減少させるのだ。

このとき、腹筋群は横隔膜の拮抗筋となっている。


面白いでしょ?


お腹を出して腕をあげると肩関節が壊れるのも、お腹を出して動くと腰が壊れるのも、呼気と吸気の機能を学ぶと、その理由が理解出ます。

安定した穏やかな呼吸を支えてくれる腹筋群の機能改善を最優先するのも、同じ理由です。

まずは、背臥位(あおむけ)・側臥位(よこむき)・腹臥位(うつぶせ)から始めましょう。

安部塾のIBUKIで、美しく凹んだお腹を身にまといましょう。

お腹を凹ませると姿勢が改善する理由~腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群の制御

身体を壊す動きとは、脳と筋肉の神経伝達機能障害の結果だと考えています。

なので安部塾では、脳と筋肉の神経伝達機能の改善に尽力します。

姿勢が崩壊している人には、腹横筋・多裂筋の機能低下が観察されます。

腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群を制御すると、姿勢が改善します。


これらの筋肉群が、全身が動作するより先に優先的に働くことが大切です。

安全な全身の動作は、これらの筋群の予備動作なくしてはありえません。


横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群


まずは、腹横筋から説明します。

腹横筋

■起始  

 腰筋膜・そけい靭帯・腸骨稜・第7~第12肋軟骨

■停止  

白線・剣状突起・恥骨

■作用  

腹腔内圧を高める・下位肋骨の下制(呼気=吐く息の補助)

※内腹斜筋の内側に付着する最内層の作用筋。筋繊維の走行は横方向。

※腰のくびれをつくる(お腹凹む・下腹が平らになる)。

※胸腰筋膜と前方の筋膜に張力を与え、首~背中~腰~骨盤を安定させる。

※息を吐くときは、腹横筋→内腹斜筋→外腹斜筋の順で収縮させる。


で、多裂筋です。

多裂筋
■起始 

頸椎4~7の関節突起・胸椎横突起・全腰椎乳様突起及び副突起・仙骨後面

■停止

隣接する2~4椎骨上の棘突起

■作用

脊椎の伸展・側屈・回旋

※多裂筋は、力を均等に分散し脊柱を安定させ、保護をする。代償できる筋肉はない。

2016年2月28日日曜日

身体を動かす基本筋~横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群(骨盤隔膜)・多裂筋

2月後半は、『お腹を凹ませる=引き込む』にこだわっております。

何のために?

これです。

横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群(骨盤隔膜)・多裂筋

明日、説明を書く予定ですが、この4つの筋肉は、身体操作の基本筋です。

お腹の引き込みができなければ、四肢(上肢・下肢)の操作はできません。

肩や膝や足首や腰やなんやが痛いのは、この4つの基本筋が使えていないから。

よくあることです。


お腹を凹ませることができない人の、腕や脚の動きは残念です。

残念な動きは、関節の機能を壊します。

関節が悪いのではありません。

凹まないお腹が問題なのです。


美しいお腹と美しい動きは不即不離の関係にあるのです。

2016年2月23日火曜日

正しい身体の使い方を説明できる機能解剖学のスペシャリストでありたい

昨日より、機能解剖学を学び直しています。

解剖

書店に行くとわかりますが、沢山の先生が新刊を出されてあります。

解剖

先日の東京集中講座のとき、こう感じました。

「誰よりもわかりやすく、正しい身体の使い方を説明したい!」


対等の立場で、相手を縛りつけることなく、楽しく指導できる講師。

自分の身体と動きを見せるだけで、充分過ぎる説得力をもつ講師。


そんな講師でいたいのです。


間違っても、自分の生徒を操作・支配するようなことがないように。

そんな講師になるくらいなら、僕はこの仕事をやめてしまいます。


淡々と身体の研究を重ね、合理的に美しく動ける講師。

僕は、そんな講師でありたいのです。


これから続く、各地での集中講座に向け、誰よりもわかりやすく身体の動きを説明したい。

そして、何を聞かれても即答で精密なアドバイスができる講師でいたい。

そして、僕と同じように、そうできる塾生を育てたい。

心からそう思います。


といっても、そのためには、気の遠くなるような基礎知識の積み上げが必要です。

ついてきてくれる塾生たちと、本気の勉強を積み重ねたいと思います。

2016年2月16日火曜日

錯覚としての痛み・幻覚としての痛み~恐怖や期待などの心理状態が知覚に影響を与える

錯視

錯視(さくし、英: optical illusion)とは、視覚に関する錯覚のことである。俗に「目の錯覚」ともよばれる。生理的錯覚に属するもの、特に幾何学的錯視については多くの種類が知られている。だまし絵とは異なる原理による。

多くの錯視は原因が分かっておらず、仮説が立てられているというものがほとんどである

引用ここまで


■錯視サイト→北岡明佳の錯視のページ

■錯視・錯聴サイト→錯視と錯聴を体験!Illusion Forum イリュージョンフォーラム


錯視


ときどきいますよね。

『自分が目で見ているものを信じている人』

視えてないし、聴けてないんですよね。

実際のところは。


例えば、ことさらに世の中の批判をする人。

単に、世の中のそういうところを抽出して見ているだけです。

『アンチはファンの一種』というやつです。

そこを見てしまう自分の心のありよう=脳の機能の問題なのです。


しあわせな人は、世の中の矛盾に気がつけません。

ふしあわせなひとは、世の中の素晴らしさに気がつけません。


そういうものです。

人は、自分の見たいように、世の中を視ているのです。


医学的な原因のない痛みもそう。

『錯痛』なんですよ。

錯覚としての痛みです。

脳機能の問題なのです。


本人にとっては、現実に存在する痛み。

実際は、錯覚・幻覚でしかない痛み。


錯覚

錯覚(さっかく、英: illusion)とは、感覚器に異常がないのにもかかわらず、実際とは異なる知覚を得てしまう現象のことである。対象物に対して誤った感覚や認識を得るのが錯覚であり、存在しない対象物を存在すると見なしてしまう幻覚とは区別される。

錯覚はその原因により大きく4つに分けることができる。

・不注意性錯覚

対象物への注意が不十分のために起こる錯覚。見間違い、聞き違い、人違いなど、われわれが日常経験する多くの間違いを含んでいる。

・感動錯覚

暗くて怖い場所を歩いていると、物の影が人影に見えたり、何でもない物音を人の気配に感じることがある。恐怖や期待などの心理状態が知覚に影響を与えるものである。

・パレイドリア

雲の形が顔に見えたり、しみの形が動物や虫に見えたりと、不定形の対象物が違ったものに見える現象に代表される。対象物が雲やしみであることは理解しており、顔や動物ではないという批判力も保っているが、一度そう感じるとなかなかその知覚から逃れられない。熱性疾患の時にも現れやすい。変像とも言う。(例:人面魚、火星の人面岩、トリノの聖骸布など)

・生理的錯覚

数多く知られている幾何学的錯視や、音階が無限に上昇・下降を続けるように聞こえるシェパード・トーンなどのように、対象がある一定の配置や状態にあると起こる錯覚。誰にでもほぼ等しく起こる。

引用ここまで


痛みの原因の多くは『不安』なのだと思います。

生きていることに安心できない。

だから身体の痛みを感じる。

実際に痛んでいるのは心なのだと思います。


健康不安が強い人が、運動で身体を壊すのも同じ理由でしょう。

健康不安を煽られて、なんのエビデンス(証拠)もないことを信じ込んでしまう。

物理的に身体に悪い運動を、「効いてる」と勘違いしてしまう。

身体に良い運動は、「やってる気がしない」ものなのに。


今日の塾生講座は、こんな話もしてみたいと思います。

2016年2月14日日曜日

中心軸の伸展で姿勢を制御する~重心移動で動く

北見さん風に、

「重心低下、姿勢の安定……

 中心軸伸展で制御した姿勢は、

 構造上、関節や関節に負担がかからない。

 その負担の低減で、数パーセント出力が上がる。

 いまの自分にとって、それは僅(わず)かなことかもしれない。

 だが……

 それを僅かと笑う者に、身体操作を語る資格はない」


と、脳内再生してみる。


重心点

歩いたり、走ったりという動きは、重心移動そのものです。

重心を移動することで動くのは効率的です。

脳内の思考パターンが力づくの人は、故障やケガが絶えません。

脳内の思考が中心軸にある人は、故障やケガと縁がありません。


身体が強いというよりは、身体を壊すような使い方をしていないということです。


身体は、乗り手(脳)を選ぶのかもしれませんね。