快眠と生活習慣 より
運動と快眠 習慣が大事
国内外の疫学研究(数千人を対象とした質問紙調査)において、運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。とくに睡眠の維持に習慣的な運動の効果があるようです。運動の内容も睡眠に影響します。1回の運動だけでは効果が弱く、習慣的に続けることが重要です。その効果として、寝付きがよくなるのと深い睡眠が得られるようになります。特に高齢者など普段から不眠がちな人に効果が大きいようです。激しい運動は逆に睡眠を妨げますので、負担が少なく長続きするような有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)が良いでしょう。
運動のタイミングに注意を払えば、さらによい睡眠が確保できるでしょう。効果的なのは夕方から夜(就寝の3時間くらい前)の運動だと言われています。就寝の数時間前に運動によって脳の温度を一過性に上げてやることがポイントです。そうすると床にはいるときの脳温の低下量が運動をしないときに比べて大きくなります。睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるので、結果として快眠が得られやすくなる訳です。ただし就寝直前の運動は体を興奮させてしまうので禁物です。
昼寝は午後の眠気を解消し活力を与えてくれます。15分程度の長さで十分です。高齢者では30分程度の昼寝を上手に利用することで、夕方のうたた寝が減少し、夜によく眠れるようになることもあります。
引用ここまで
姿勢が悪いということは、全身の筋肉のバランスが崩れているということです。バランスが崩れているということは、疲れがとれていないということです。この場合の疲れというのは、緊張と弛緩のバランスがとれていないということであり、陰陽が調和していないということを意味します。
闇雲に運動をすると、関節が壊れます。実際、「おれがかんがえたさいきょうのうんどう」を実践した結果、手術が必要なほど関節の機能を自己破壊する人がいたりします。厄介なことに、物理的に無理のない運動は「やった気がしない」という特徴があり、りきむことにカタルシス(心の中に溜まってしまったネガティブな感情を解放することで、心に存在する重苦しい嫌な気分が浄化される)を得たがる人は、やろうとしません。
カタルシス効果とは、不安や不満、イライラや悲しみなどネガティブな感情を表現することで苦痛が緩和され、安心感を得られるという現象です。自己完結でも、他者との交流によっても得られます。
運動で、不安や不満、イライラや悲しみなどを表現しようとすると、筋肉は過緊張状態に陥ります。それだけでも問題なわけですが、往々にしてその後の安心感を得ることができずに、過緊張状態のまま固まってしまうことになりがちです。次回は、そこからさらに緊張させるという展開となり、弛緩させることができなくなります。それどころか、弛緩させている人たちを非難するようになったりします(自分の過緊張状態を肯定するため)。
感情は筋肉に記憶されるというのは、よく知られるようになりました。緊張パターンを、神経系が記憶してしまため、物事の見方や考え方まで歪んでいくことになるのです。そんな状態で良質な睡眠がとれるかといえば、答えは否です。
引用元に、「激しい運動は逆に睡眠を妨げます」とありますが、睡眠にとどまらず、人生後半の平穏な生活まで妨げることになるのです。無理のない運動に意味を見いだせるのは、陰陽のバランスをとることの素晴らしさを理解できている人たちです。
直線的な力強い運動ではなく、力強さのない「らせんの動き」を美しいと思えるような感性を養うことが大切です。