安部塾では、各関節の可動性や安定性について理解することを「基礎を学ぶこと」だと考えています。いわゆる機能的動作(Functional Movement)がわかっていないと、パフォーマンスの低下とケガ・故障に悩まされるという展開となるかと思います。
安定させる構造になっている関節は安定させ、動かす構造になっている関節は動かすというシンプルな基本を守ることで、パフォーマンスが向上します。
ジョイント・バイ・ジョイント |
Gray Cook先生の「joint by joint theory」考え方は、わかりやすいメカニズムです。
「ヒトの関節は大きな動きをするのに適している関節(Mobility)と、大きな動きをサポートするために安定させる関節(Stability)が交互にくる。可動性関節が力を発揮するためには、隣り合わせになっている安定性関節がその機能を果たしていなければならない。」
例えば、股関節と足関節を動かす意識で使うとパフォーマンスが向上しますが、そのためには、横足根関節(ショパール関節~踵骨・立方骨・距骨・舟状骨によって構成される)」とリスフラン関節(第1・2・3楔状骨と立方骨、中足骨近位部によって構成される)と膝関節が安定していなければなりません。
応用すると、ふともも裏のハムストリングスを伸ばしたいときは、膝関節を動かすのではなく安定させ、足関節と股関節を動かせばよく、横足根関節とリスフラン関節を安定させておくことで効果を高めることができるということになります。
ハムストリングス・ストレッチング |
当然ですが、腰椎部は安定させ、胸椎部を動かす意識となります。安部塾では足の使い方にこだわりますが、膝と足根部を安定させることが基本中の基本となると考えているからです。膝と足根部がゆるい人を観察してみると、ケガが絶えないのがすぐにわかるかと思います。
7月は、機能的動作(Functional Movement)の解説に力を入れていきます。