◇衛気(えき)
体表面~体表面から少し離れたところをめぐり、体温調節や外邪の侵入を防ぐはたらきがあります。皮膚の収縮と弛緩~毛穴の開け閉め(腠理の開闔)は、体温調節や発汗の調節に関わっています。体内では身体を温める役割があり、日中は体表、夜間の就寝時は体内を巡るとされています(この理由で、就寝時は布団をかけます)。陽の性質をもつ気です。
衛気は、筋肉を温め(温煦作用)、皮膚を豊かに充たし. (栄養作用)、皮膚の紋理を肌理細やかに調え、腠理即ち. 発汗機構の開閉を制御している。
◇ドーゼオーバー(刺激量過多・過剰)
筋緊張をゆるめようとして強刺激を繰り返した結果、逆に過剰緊張状態に陥ってしまうことがあります。軽くなるはずの身体が逆に重く感じるようになり、体調が悪化します。やり過ぎはよくないということです。
刺激の強さが過剰だったり、刺激の時間が過剰だったり、または強さも時間も過剰だったりするわけですが、観察していると「刺激は強ければ強いほど良い」という謎の信念をもたれてあることが多いのがわかります。「刺激は適正な量が良い」が正解です。
◇刺激量過多による体温調節機能の低下
私は、強刺激によって衛気の乱れが生じ、その結果として体温調節がうまくいかなくなることがあると考えています。ボディローラーやボールやポインターの使い方が荒くて雑で乱暴な人たちが、軒並み体温調整に問題を感じているのが観察できます。陽気を足の方へ下げることができず、頭はカッカするのに足は冷えている人や、汗をかきながら「寒い寒い」と厚着をしている人もいます。
やり過ぎはよくないのです。
安部塾では、ゆっくりとした鼻呼吸で丁寧で繊細な動きを心がけるように指導しています。さらに、弱刺激を上手に用いて、適正な刺激量になるように調整するよう声かけをします。やればやるほど効くというのは迷信でしかありません。ドーゼオーバーにならないようにした方が、好い結果につながります。
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