2022年8月30日火曜日

「過去、ウケたこと」が、「いま現在、ウケること」かというと、そんなことはありません。いま現在ウケていることが、未来においてウケる可能性はとても低いものになります。

イチロー「合理的になるには無駄なことをたくさんしないとダメ」…手段の最適化を求める者は、目先の最適化を求めがちなので、長い目で見て進歩がない体感のメタ認知を高めると、仮説に対するアプローチ経路が具体的に見えるようになる。これを積み重ねるにおいて、「正解の経験」と「失敗の経験」の差はほとんどない

ウメハラ「結局、効率のいい考え方、効率のいい勝ち方というのは、たかが知れてる」「成果を出しているヒト」は、「今のシステム」がマッチしているのを忘れてはいけない。

 便利な技というのは応用が利かない。自分自身は何も成長していない。システムに頼っているに過ぎず、自分は工夫していない。だから、便利な技が通用しなくなったとき、技自体がなくなってしまったときにはどうすることもできない。 『勝ち続ける意志力』梅原 大吾 著、小学館

Miki 炎舞奉納

 僕がよく「間違った成功体験」と呼んでいる現象があります。その時代に、たまたま自分のやっていることがマッチ(適合)したため、たまたまうまくいくという体験です。ここで、「自分は正しい」という強い思い込みを持ってしまうと、潮目が変わった途端に凋落することになります。


 1996年(平成8年)8月7日、ビートルズの楽曲「エヴリー・リトル・シング」に由来する『Every Little Thing』というというグループがデビュー。「Dear My Friend」「出逢った頃のように」「Time goes by」「fragile」などがヒットしました。1992~1995年までは体験の蓄積期間だったのではないかと存じます。

 持田香織さんのファンなので、ヘビーローテーションで聴いておりました。楽曲を聴けば、あの時代の情景を思い浮かべることができます。

 2019年12月初旬、 中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、世の中の潮目が大きく変わりました。それまで通用していたテンプレートが、いきなり通用しなくなってしまったのです。そしてその流れは、いまも変わってはいません。

 「過去、ウケたこと」が、「いま現在、ウケること」かというと、そんなことはありません。いま現在ウケていることが、未来においてウケる可能性はとても低いものになります。

 たまたまうまくいっただけの幻の成功体験にこだわってしまうと、こだわればこだわるほどまずいことになっていきます。厄介なのは、見た目だけは思い通りに進んでいるように見えるし、自身も盛大に自分のやっていることを正しいと勘違いしてしまうということです。とはいえ、それも、失敗体験のひとつにはなるので、ちゃんと意味はあるのですが。

 私自身どうかというと、2020年以降、たくさんの失敗を積み重ねてきました。そして現在、どうしたらいいのかまるでわかりません。

 人生において、どうしたらよいかわからなくなったときは、水木先生の作品を読むようにしております。「好きじゃない仕事に追われる」とよくないのは、これまでの人生で充分すぎるほどに堪能してきました。

 「僕が好きなことって何だったっけ?」って考えていたら、「音響機材を組んで、ダンスミュージックをつくって踊る」だったことを思い出しました。早速、大型PAスピーカーやらパワードミキサーやらシンセサイザーやらを購入し、中高生のときに諸事情でできなかった作曲活動を開始しました。楽しい時間を過ごしております。

 とはいえ、それが現在の世の中でウケるかというとそんなことはないと存じます。ただ、いまやっていることは必ず、未来の自分を救ってくれることになると感じております。

 50歳を過ぎると、あれもこれもはできなくなってきます。なので、好きなことを貫く覚悟を決めることが大切だと存じます。