2022年8月16日火曜日

腹式呼吸と胸式呼吸について。呼気(息を吐く)筋は、気道抵抗や換気量が大きいときに働きます。

 腹式呼吸は、横隔膜によって胸郭を上下に動かし、体積を増減させる呼吸とされています。

 胸式呼吸は、横隔膜に肋間筋が加わり、胸郭を上下のほか前後左右にも動かして体積を増減させる呼吸とされています。

 現実的には、腹式呼吸と胸式呼吸法を同時に行っていて、安静時には腹式呼吸が優勢となり、運動時には胸式呼吸も加わり、体幹を安定させたいときには上部腹式呼吸と下部胸式呼吸を組み合わさります。

呼吸運動時の肋骨の動き

 外界の空気を肺に取り込んだり、排出したりするために、肺の拡張・収縮を行うことを呼吸運動(こきゅううんどう、breathing movement)と呼びます。肺は、胸壁内腔を覆う壁側胸膜と肺を包む肺胸膜という2つの膜で覆われており、両膜の間は陰圧なので、胸郭や横隔膜を動かすことによって受動的に肺の拡張・収縮を行うことができる仕組みになっています。

 通常の安静時呼吸では、横隔膜が呼吸運動の大部分を担うことになります。リラックスして休息するときには安静時呼吸をしないと、心身が休まりません。

 換気量が増大し、強制的な呼吸が必要となった場合には外肋間筋、内肋間筋などの呼吸筋や腹筋群や骨盤底筋群も動員することになります。

 安静時は、吸息筋活動が停止し弛緩することによって、肺と胸郭の弾性によって元の状態に戻ることで呼息(吐く)が行われます。一方、強制的な呼吸が必要となったときには、内肋間筋が収縮することによって胸郭を小さくし、また、腹壁筋の収縮により横隔膜が挙上することで胸腔内容積を縮小させます。この時、拡張した肺自体も縮小しようとするので、肺が収縮して空気が排出されます。

 安静時は、横隔膜と外肋間筋の収縮によって横隔膜が下がり胸郭を広げ、胸腔内容積を増大することにより肺を拡張し、空気を肺内に流入させ、吸息運動が行われます。一方、強制的な吸息運動が必要となったときには、呼吸補助筋として胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、前鋸筋などが働きます。

 胸腔や胸郭は、呼気筋の作用で小さくなり、吸気筋の作用で大きくなります。

 主な吸気筋には横隔膜、外肋間筋、傍胸骨部内肋間筋があります.横隔膜は収縮すると降下し、胸腔の上下径が増大します。さらに腹腔内圧の上昇作用を介して胸郭径が増大します。外肋間筋、傍胸骨部内肋間筋の収縮は肋骨を上方へ動かし、胸郭径が増大します。

 主な呼気筋には、内肋間筋、腹筋群があります。呼気筋は、気道抵抗や換気量が大きいときに働きます。内肋間筋の収縮は肋骨を下方へ動かし、胸郭径が減少します。腹筋群は腹腔内圧を上昇させ。横隔膜を上昇させます。


 8月のワークショップで解説いたします。

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