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F.M.アレクサンダー先生の、
「頭と首が動いて、身体全体の動きががついていく」
という考え方について、私なりの解説をします。
後頭下筋群という原初的姿勢制御筋(動作制御筋)があります。
頭と首をつないでいます。
後頭下筋群 プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系より |
姿勢の傾きや身体バランスについての情報を後頭下筋群が感知して脳に送ります。
脳から姿勢制御・動作制御の調整のための情報が全身に送られます。
この機能のお陰で、私たちは姿勢と動きを制御することができます。
頭と首の動きに身体全体の動きがついていく機能は、脊椎動物に備わる基本的機能です。
頭と首が固まっている人は、この機能がうまく発揮できません。
頭と首が固まった状態では、後頭下筋群の感知機能が崩壊するからです。
精密な制御の微調整ができないため、姿勢制御・動作制御が阻害されるのです。
頭と首が自由自在で繊細な状態にあれば、楽に姿勢をつくり、楽に動けます。
そして、後頭下筋群は「視る」「聴く」「嗅ぐ」という感覚にも反応します。
「視えない」「聴けない」「嗅げない」ときの姿勢や動作は制御が難しくなります。
ヴィジョントレーニングで姿勢と動きが改善するのは、当然のことなのです。
「人は、見た方に動く」ようにできているからです。
※ヴィジョントレーニングについてはこちらへ → アイックス
姿勢や動きを改善したいのなら、自分の癖をやめなければなりません。
ところが、頭と首を固めている人は、自分の癖をやめようとしません。
現実を視ないし、他人の話を聴こうとしないのです。
というより、現実を視ない・他人の話を聴かないために、頭と首を固めています。
人は見た方向に進むし、進みたい方向を見てしまうのです。
この理由で、自分の劣等感やナルシシズムの問題を避けて通ることはできません。
エクササイズだけをどんなに重ねても、たいして改善がみられないのは当然です。
自分が進むべき方向を見るために、癖を直す必要があります。
というようなお話を、熱く語ります。