2020年9月9日水曜日

「他者の動きを正確に真似できない。書いてあることを書いてある通りに読めない。どこにも書いていないことを読む。自分勝手に創作する」人の動きは、よくなりにくいと思います。


身体操作指導をしている方の多くは、「真似ができない人」「出した指示とまるで違うことをする人」の誘導に困ったことがあるのではないかと思います。そんな人の動きを観察すると、指導者の誘導の言葉を聴かずに、隣の人がやっている姿をチラ見しながら適当に動いているのがよくわかるはずです。注意事項は守りません。

そんなわけで、「安部塾コアプログラム誘導次第」というテキストをつくりました。書いてあることを書いてある通りに読むことができるという基本を守ってもらうことにいたしました。模倣する能力こそ、学ぶ(真似ぶ)力です。いまのところ、各地の集中講座と新宮校でのグループレッスンでしか実現できてはおりませんが。

薬院校時代の反省点として、模倣する能力が低い人ほど「オリジナルメソッド」を打ち出したがります。書いてある通りに読めない人は、文章の中から気に入った言葉だけを切り取ります。例えば、「~するだけでいい」というような言葉を切り取ってしまうと、動きは破綻します。本来の意味は「おかしなことをやめましょう」であって「これさえやればいい」という意味ではないのですから。

繁栄しない人の行動を観察してみると、自分勝手な創作で自滅しているのがすぐにわかります。うまくいっている人の言動を真似る能力が低いため、負の方向に改変(つまり「改悪」)してしまうのです。指導する側からすると、やってはならないことばかりをやられるわけですから、心が折れます。


虐待や体罰を受けることで、脳の大事な部分に「傷」がつくということです。
小児期に親から日常的に暴言や悪態を受けてきた若年成人群の脳のMRI像。
上側頭回灰白質を含めた聴覚野(聴覚に関連)の容積が増加し、発達に異常がみられた
この傷がずっと続くことから、虐待を受けた子どもは大人になっても辛い思いをするのです。これまでは、生来的な要因で起こると思われていた子どもの学習意欲の低下を招いたり、引きこもりになったり、大人になってからも精神疾患を引き起こしたりする可能性があることが分かったのです。ですから子どもの脳にとっては、日々、子どもに何気なくかけている言葉、とっている行動が過度なストレスとなり、知らず知らずのうちに、子どものこころ(脳)を傷つけてしまうことがあるのです。
実際に、親から暴言を浴びせられるなどの「マルトリートメント」の経験を持つ子どもは、過度の不安感や情緒障害、引きこもりといった症状・問題を引き起こす場合があります。
なぜなら、過酷な体験がトラウマ(こころの傷)となるからです。人は、あまりにも過酷で耐えがたい体験をしたとき、その体験記憶を『瞬間冷凍』し、感覚を麻痺させることで自分の身を守ります。しかし、その体験は新鮮な状態で丸ごと保存され、類似した音や視覚などの刺激で何度も、何年後でも『解凍』されることがあるのです。最悪なことに、トラウマは成長したあとにこころの病気やDV行為、アルコールや薬物依存などの形で現れることもあります。
引用ここまで

身体の動きには、幼いころに自分が親から受けた影響が記録されていると考えております。脳の構造ごとすべてをつくりかえるという姿勢が大切なのではないかと、最近強く感じるようになりました。それには、うまくいっている人の動きの模倣に集中するのがいちばんだと決論づけております。