ここで重要になってくるのが、股関節外旋力です。
股関節外旋はターンアウトと呼ばれていて、脚の外転可動域を増大させます。
股関節外旋が側方への下肢振上げ動作に及ぼす影響は極めて大きいのです。
側方への下肢振上げ動作時、股関節外旋が下肢を高く上げやすくすることになります。
「股関節外旋は解剖学的に脚を外側に上げやすくする。正常なポジションにおいて脚の動きは、骨盤と股関節の間における関節構造に制限される。脚が外側に引かれると,大腿骨頭が寛骨臼縁に当たるので、脚が動かなくなる。しかし、股関節を外旋していたならば大転子が後方に動き、寛骨臼縁には大腿骨頭の平らな側面が当たる」Kushner とWatkins
側方と同様に後方への下肢振上げ動作においても、股関節外旋を伴う動作でより高く脚を振り上げることができる。
……股関節が外旋できないと、後方に脚が上がらないのがよくわかります。
骨盤に対する大腿骨の運動による股関節の外旋(解放運動連鎖)
腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズムによる股関節外旋
腰椎と骨盤が反対方向に動く腰椎骨盤リズムによる股関節の外旋。
骨盤の回旋する方向とは逆方向へ回旋する腰椎に注目。
※図は、筋骨格系のキネシオロジーより
股関節の外旋イメージは、「ふとももの正面を外側に向ける動き」です。
膝下も含めれば、「つま先を外側に向ける動き」ということになります。
ヒトの股関節の機能の特徴は、股関節が外旋されことで股関節の動きの自由度が高くなること。
股関節外旋の柔軟性が高いと、動きのパフォーマンスが向上するということになります。
膝を大きく横にひらけるので、骨盤を立てて上体を起こせます。
結果、腰を落とすことが可能になり、重心位置を身体中心にもってこれます。
重心位置が身体中心にもってこれていれば、重心移動が容易になり素早く動けます。
前後左右どの方向にも、安定して動くことができます。
龍舞においては、股関節の外旋力が必須となります。
竹屋神社 龍舞 塾長 |
外旋しない股関節では、膝を外にひらくことができません。
腰を落とそうとすると、骨盤が前傾してしまうことになります。
結果、重心位置が前方へ移動し、後方へ動けなくなります。
簡単に転倒することになります。
各スポーツはもちろん、武術においても、股関節外旋力が重要です。
7月20日(土)東京で、中国武術のための機能解剖学講座で解説します。
股関節の外旋を理解してからの体幹のねじり。
そこからのミット打ち!
お楽しみに♪