2019年4月27日土曜日

基本を深めるということ

今日は、過去最高に地味な講座となった。

側臥位

動きだす前の「構え」。

コア・スタビリティ(核の安定)にこだわった練習をした。

見た目の動きは、ほぼない。

しかし、体内では目まぐるしくも精密な姿勢制御が行われている。

仙骨岬角を意識した身体操作。

腹横筋と骨盤底筋群がつながって姿勢を制御していく感覚。

肋骨を骨盤に集めるように意識して、中心で身体を安定させていく。

そこには、根源的自己肯定感情がある。

中心で身体の制御ができない人は、非日常に楽しみを見いだそうとする。

寓話と奇跡を信じ、まわりの人たちを操作しようとする。

しかし、支配と服従、依存関係の中に、本当の楽しみはない。

仙骨岬角……自分の中心で自分を支えることができるということが重要。

脊柱を守るように、腹壁の筋群が引き締まる。

股関節を守るように、臀筋下部繊維がやさしく中心に集まる。

すべての筋群が、自分というかけがえのない存在を守るべく至誠を尽くす。

やわらかい胸郭が、円滑な呼吸とともに、美しい腕の動きを生み出す。

身体のはたらきと心のはたらきを、分かつことはできない。

身体を守ろうとしない身体組織の持ち主が、周りの人たちを守ろうとすることはない。

自らの身体を守るべく身体組織がメッセージをやりとりし合う。

そんな人は、仲間を守る。

たかがコアユニットなどと、なめてはいけない。

それは、他者に対する慈しみの源でもあるのだから。

きちんと胸骨が機能していない人間に、愛を知覚することはできない。

正確な姿勢制御の解説をしながら、そんなことを考えていた。


人は、自分の身体を自分で支える構造になっている。

他者にもたれかかることなく、依存せず自立する身体構造。

自分で姿勢を制御することで、正しく機能するようにできている。

自己不全感を他者に満たしてもらおうとするのは、愚かなことなのだ。


バウンダリー(境界線)。

自分と他人との適切な境界線を引くということ。

①他人の問題を自分の問題にしないこと
②他人の責任を自分の責任にしないこと
③他人がやるべきことを自分がやらないこと

境界線を引けない人は、他者の行動・感情のケアをしようとしてストレスにやられる。

境界線を引けない人は、他者をコントロールしようとしてストレスにやられる。

簡単に相手に入り込まれる。

不用意に相手の領域に入る。

逆に、極端に距離をとってしまう。

境界線を引けないとストレスフルとなる。


境界線を引くということは、自分を守るということ。

それは、身体操作の基本。

自らの身体操作を自ら精密に行う。

他者に寄りかからず、依存せず、圧倒的なスタビリティを生み出す。


基本的肢位を正確につくれるということ。

それが、境界線を引く基本。

境界線が引けることで、正しい思考と正しい行動が現実となる。

圧倒的な安定性と可動性を兼ね備えた肉体が生み出す正確さの力。


気が遠くなるほどの基礎の反復練習。

圧倒的な練習量が生み出す、圧倒的な据わり。

圧倒的な据わりが、どっしりとした厚みのある自己肯定感情の源泉。

明日の講座では、「骨盤底筋群」の力について解説する。


今日以上に地味な内容だが、圧倒的な結果を出したい。