2022年4月1日金曜日

こんな姿勢はダメだ

  リクエストがありましたので、「こんな姿勢はダメだ」という写真を撮ってみました。

 まずは、教科書に載っている定番のものから。頭部中間位と頭部前方位。身長が変わるのがよくわかると思います。これを見ると、卑屈な態度と尊大傲慢な態度が同質のものであることがわかります。自分を特別に扱って欲しいと思う個人が抱えるものが劣等コンプレックス、逆に、自分を侮られたくないと思う個人が取る態度優越コンプレックスです。

立ち姿勢横から(あまりうまく姿勢を崩せていませんが)
 
 自分が優れた人間であるかのように見せかけることで劣等感に対処する態度である優越コンプレックスは、権威づけを伴いがちです。自分が優れているかのように行動したり、手柄を自慢したり、派手に着飾ったりなどの言動が目立ちます。劣等コンプレックスが強すぎて、それを過剰に埋め合わせしようとする結果、虚栄心に満ちた態度をとりがちになります。自らの優越性を維持するために他者を攻撃することも多く、ほんとうの意味での成功からは遠ざかってしまいがちとなります。

 合掌姿勢は、肩と首の過剰緊張による詰まりがわかりやすいです。向きを変えるときに動いてしまったので左の二つの身長が違いますが、同じ向きで比べると、身長が変わるのが確認できるかと思います。ここまで極端でなくても、合掌すると、首肩の過剰緊張を可視化できます。いわゆるクラウチングスタイルとなります。

立ち合掌姿勢前から

 これは、わかりにくいと思います。一番左が良い姿勢に見える人が多いかもしれません。うちの塾生さんは、瞬時に何が違うのかわかると思います。左の姿勢をとっている人は、お腹が出て腰が詰まって、手首や足首や膝に故障を抱えがちだと思います。過体重やいびつに発達した下半身も特徴です。

横に腕を伸ばす立ち姿勢

 抑えつけられたまま無意識の奥底に保存されていた感情が、現実の意識に反する感情として無意識に発動し、現実の行動に影響してくるのがコンプレックスです。情緒的に強く色づけされた表象が複合した心理です。この抑圧と首の過緊張にはつながりがあると、安部塾では考えます。

 BJ老師が、こんなリプをくれました。

 この問題が厄介なのは、本人は自分の姿勢や身体の使い方が正しいと思い込んでいる点です。優越コンプレックスが強い人は、自身が身体トラブルの巣窟であるにも関わらず、他者を指導しようとし、師匠を自称しがちです。界隈ウオッチャーさんたちがよく指摘しておられますが、体型を隠すような派手な柄の服を着たがる人なんかはわかりやすいと思います。そもそも論として、姿勢と動きと体型が美しければ、裸体がいちばん魅力的なのです。

 自分のコンプレックスに対する自覚がないと、姿勢が改善しないだけにとどまらず、さまざまな問題を抱え込むことになります。ややこしいのは、上辺だけはうまくいってるように見せかけることが可能で、姿勢が崩れていると素で自分が優れた人間であると信じ込んでしまう点です。最近流行の「俺は目覚めた人」とか「真実を知る人」とか自称する展開とか、異常に肩書にこだわるとか、自身のためにならない言動を繰り返してしまいがちです。

 他者への関心と貢献に視点を向けていくことで受け入れてもらえるようになりますし、他者も受け入れることができるようになります。姿勢は、他者への関心と貢献に視点を向けていくことで、急速に改善されていきます。

 たかが首の過緊張ですが、侮ってはいけないと思います。タイトルの「こんな姿勢はダメだ」ですが、「首が過緊張している姿勢はダメだ」ということになります。興味がある方は、アレクサンダー・マサイアス先生の著書を読んでみられることをお奨めいたします。