ストレッチングが身体にどのような悪影響を及ぼすか、身をもって知った。
ストレッチング指導者の体調の悪さを、少し観察してみればわかる。
深層筋・腱・靭帯を伸ばしてしまったことで、不安定になり壊れてしまった関節。
ケガを防ぎたい一心でストレッチングした結果の障害。
これは、関節をゆるめようとするエクササイズすべてで起きる弊害である。
2000年以降に、ストレッチング有害論が提唱された。
少しずつではあるが、状況は改善されつつある。
深層筋 |
関節のすぐそばにある筋肉を深層筋という。
骨と骨をつなげている靭帯を保護している。
靭帯が伸びないように、抑えてくれる役割がある。
この理由で、深層筋を伸ばすのは厳禁。
関節が壊れてしまうから。
深層筋は、元々柔軟な特性を持つ。
最適可動域以上に伸ばすと、関節構造がおかしくなる。
疲労しやすくなったり、炎症を起こしやすくなったりする。
深層筋に必要なのは、筋肉連鎖による適正収縮なのである。
安部塾では、オーバーストレッチング(過伸展)を厳しく指摘する。
きちんと筋肉群を収縮させて、関節を締めるよう指導する。
関節をゆるめてはいけない理由を、繰り返し説明する。
伸ばす意識から縮める意識に切り替えると、関節機能が改善する。
安部塾には、関節をゆるめるエクササイズで関節を壊した人がやって来る。
楽しそうに、関節を締める訓練をしている。
日に日に、明るくなってくる。
関節の歪みは、感情の歪みに直結するのだ。
感情が不安定だから、関節をゆるめようとするともいえる。
関節と感情は同期しているのだ。
この理屈がわかると、手技療法のテクニックが一変する。
「収縮させてやさしく撫でる」という基本に戻れるのだ。
伸ばして強く押すテクニックは、一時的にしか使えない。
継続して使えば、身体を壊すことになる。
理想的には、「やさしく触れて、きちんと収縮させる」。
そう。
安部塾ペアワークそのもの。
収縮時に触れてもらうと、相乗効果が生まれる。
健身球による手のひらと手指の適正収縮が全身を変えていく現象。
これも、収縮による効果である。
10月9日(日)の薬院校集中講座では、この視点からの解説をする。
筋肉連鎖運動の意味を、深く理解して欲しい。