2017年3月16日木曜日

過剰な柔軟性を求めない~関節を完全にはめた状態で動く

ハイパーモビリティ症候群。

過剰な柔軟性という病。

ハイパーモビリティ

いつの頃からか、「柔軟性があるとケガをしにくい」という迷信が蔓延した。

実際は、過剰な柔軟性を求めるほどにケガを重ねることになる。

不安定になった関節と痛めつけられ傷ついた神経。

迷信を信じたツケは、容易なことでは返済できない。


不安定になった関節は、精神面をも不安定にしてしまう。

関節には感情が記憶されるから。

過剰な柔軟性は、筋力の発揮を阻害する。

破壊された靭帯のセンサーは、関節の位置を伝達できなくなる。


不安定になった関節に、美しさはない。

肩関節

いまではすっかり主流になった「関節を完全にはめて動かす」という考え方。

その姿は美しい。


そう。

形態は機能に従う。

湾岸ミッドナイト34巻

湾岸ミッドナイト34巻
機能ある者には、機能美が生まれる。

人は、その美に、理由などなく魅せられる……


27年前に、こんな考え方を学んだ。

「構造学的に正しいものは、美学的に美しい」

この27年間、その考え方が間違いないことを確認してきた。


続きは、塾生講座で解説する。

2017年3月15日水曜日

舌と姿勢制御筋(胸鎖乳突筋)~最強の姿勢制御菓子「ハイチュウ」

あいかわらず、上あごと舌の関係を解説中。

塾生と講座参加者向けに、解説用画像を用意した。

舌の位置と胸鎖乳突筋・舌骨筋群

頭部前方位と胸鎖乳突筋・舌骨筋群

上顎骨

上あごの歯と舌のポイント

上あごの歯

姿勢制御の秘策=ハイチュウ。

ハイチュウ

胸鎖乳突筋と舌骨筋群を見れば、ハイチュウの使い方は理解できるはずだ。
胸鎖乳突筋と舌骨筋群
そして、その効果も。


いつも講座で発言しているが、構造を理解せずに外見だけ真似しても意味はない。

地道な機能解剖学の学習以外に道は存在しない。

近道などない。

無知は自身の身体を壊す……例外は存在しない。


粗雑な身体の動かし方を、「楽しい」とか「気持ちいい」とか感じてしまう。

そして、その動かし方を他人に奨めてしまう。

結果、取り返しがつかないことになる。

姿勢制御機能が壊れるほど動きは雑になり、何もかも失ってしまうことになる。


足や舌の使い方の学びは地味だ。

しかし、それを地味だと嗤(わら)う者に、姿勢制御を語る資格はない。

2017年3月14日火曜日

正しい姿勢の基本~舌の位置は、舌背を口蓋(上あご)にぴったりとつける。

舞さん発で、鼻呼吸のための口テープブームがきている。

口呼吸は、デメリットしかないからね。

正しい舌の位置を勘違いしていると、人生詰んでしまう。

画像で解説。

舌の位置

舌が落ちて低くなると、気道がふさがり酸欠に。

姿勢制御システムが崩壊するので、何もかも破綻。


塾生に解説した通り、こんな感じで舌骨をイメージして舌の位置を決めると改善できる。

舌の位置

偉大な母親の元に生まれた人は、生まれたときからできる。


あかちゃんの舌使い

舌の形状は、「いちじく」をイメージするといい。


今日の大手門塾生講座も、鼻呼吸と舌の位置の解説。

参加すると、人生のすべてがますます良くなっていく。

2017年2月28日火曜日

関節を完全にはめて、繊細に動かす理由(塾生向け補足記事)。

昨日の塾生講座で、靭帯の感覚について解説した。

塾生たちの頭から湯気が出ていたので、少し整理してみることにする。

平井さんw

関節は感覚器でもある。

関節は、靱帯・関節包・脂肪体・血管壁で構成されている。

そして、感覚受容器が分布している。

関節の受容器は4つある。

■ルフィ二小体(Type1受容器・Aβ繊維に支配される)
関節の位置・運動覚を感知し、反応する受容器。
靱帯や繊維膜に分布。
姿勢制御のため、肩甲帯・胸郭・脊柱・骨盤帯の関節に多く分布する。
関節が正常な位置にあるかの感知を行う。
低い刺激により反応するので、とても弱い刺激を心がける。

■パチニ小体(Type2受容器・Aβ、Aδ線維に支配される)
関節の速い運動・圧力と、関節包の横方向の不意のストレスを感知し、反応する。
靭帯や線維膜や脂肪体などに分布。
関節に過剰な負担がかからないように制御。
不意な外力に対して筋が反応するために必要。

■ゴルジ腱器菅(Type3受容器・Ib線維に支配される)
関節周囲の筋の過剰。
収縮を抑制し、関節に過剰な負担をかけないようにする。
靭帯・腱・線維膜などに分布。
Ib抑制に関わる。

■自由神経終末(Type4受容器・Aδ線維とC線維により支配)
過剰な関節運動や機械的刺激、炎症時の化学物質に反応する。
靭帯・関節包全域・骨膜・骨・脂肪体・血管壁などの部位に分布。
「痛み」として危険信号(警報)を出し、関節の保護を行う。
域値が高く、弱い刺激では反応しない。
Type4線維は、侵害受容器。
・侵害的圧刺激や過度な関節運動に反応(高閾値器械受容器)。
・強い圧刺激のみに反応し、関節運動には反応しない。
・正常な関節ではどのような機械的刺激にも反応を示さない(非活動性侵害受容器)。

靭帯の受容器


この理由で、安部塾では、Type4線維を刺激しないような指導をしている。

痛みを感じるような練習は、関節の保護をしている靭帯の感覚受容システムを破壊する。

機能解剖学的解説を交えながらの丁寧な誘導は、他に類を見ない繊細な動きとなる。

というより、靭帯の感覚受容システムを学んだら、乱暴で雑な動きはできなくなる。

「楽しければいい」という考えは、関節を破壊する暴力でしかない。

関節を完全にはめて動けるようになれば、その意味がよくわかる。

2017年2月24日金曜日

関節がきちんとはまっている状態で、身体を動かす=体と心の調和。

機能解剖学の学びで、最初に教えてもらうこと。

「体と心が調和しているということは、関節がきちんとはまった状態で、身体が動いているということ」

この言葉は、私の原点。

もう27年も前の話ですが(笑)。

懐かしいな。

きちんと関節をはめて動く

私は、関節をゆるめて動かすのが嫌いだ。

関節をゆるめると、筋肉の運動性能が悪化する。

ガタつくことで、関節機能も壊れる。

何ひとつ、いいことはない。


何より、心が、意固地・頑固になってしまう。

優しい人たちの声が、届かなくなってしまう。


関節を締め=きちんとはめて動かす。

関節を締めると、筋肉の運動性能が向上する。

ガタつかないので、関節機能も向上する。

いいことづくめである。


元々、人体は、関節を締めて動かすように設計されているのだから当然である。

初めて、カパンディ機能解剖学(生体力学)を学んだときは、本当に感動した。

あれからコツコツ積み重ねてきた先人たちの叡智の数々。

そのほんの断片を伝えるだけで、多くの人たちの人生が好転する。


関節をきちんとはめておくことの大切さを、あらためて実感する。


心が乱れる=脳機能が崩壊することでも、関節は外れる。

関節の靭帯に存在する感覚受容システムが崩壊するからだ。

心が乱れている人たちの身体の動きは乱雑で品がない。

それは、感覚受容ができないことに起因する。


自分の骨がどこにあるのかわからないので、平気で身体を壊す動きができる。

そして、痛みを訴える。

身体と心は同時に壊れるのだ。

平気で自分の身体を壊せる者の対人関係がどうなるかなんて、容易に想像できる。


すべてのバランスが崩壊してしまう。

何もかも。


先人たちが私に教えてくれた、最も大切なこと。

「関節をきちんとはめて生きていくこと」

私の残りの人生は、かつて私を救ってくれた先人たちの遺志を引き継いでいきたい。

関節をきちんとはめて生きていくように、縁がある人たちに伝えていきたい。

2017年2月21日火曜日

立ちバランスが悪い理由は、足のゆび(趾)が接地していないからかも。付き合う相手は、立ち居振る舞いで選ぶのが無難。

足の横アーチつぶれの原因のひとつ

昨夜、基山でじゅんじゅんと足のゆび(趾)談義をした。

上図のポイントにタコがある人の立ちバランスはきたない。

原因のひとつは、第二趾の接地感がないこと。

第一趾(母趾)が接地していない人もバランスが悪いが、第二趾も致命的。


大切な話なので、今日の大手門でも解説をした。

第二趾と第二中足骨のつながりを知らない者に、立ちバランスを語る資格はない(笑)。


1回でも休むと、後悔せざるを得ないのが安部塾である。


そのつながりで、顔の美しさと趾の話もした。

性格は顔と立ち居振る舞いに出る。

立ち居振る舞いで付き合う相手を決めるのは、機能解剖学的に正解という説がある。

なんてことを考えていたら、タイムリーなツイートがあった。










さて、身体の動きを良くしたいときに、真っ先にやるべきことはなんだろうか?

すでにFBでシェアさせていただいたが、この記事を読んで欲しい。

→ 『これが日本の”フィジカル”だ!!』




記事の中にある、

「言葉の不在は行為の不在」という考え方

「同時に行為が言葉をつくる」という考え方

言葉の力を、侮ってはならない。


身体の動作をあらわす言葉を覚えるだけでも、身体の動きは格段に良くなる。

言葉を知らない者の感覚は鈍い。

古来から言われている通り。

だから、安部塾では、動作をあらわす言葉を学んでもらっている。


初めて参加した人は、目が点になる。

自分が何も知らないことを思い知らされるから。

何も知らないことがわかれば、話は簡単である。

動作をあらわす言葉を、ひとつずつ学んでいけばいい。


言い訳することなく安部塾に通ってきた勇者の足は、美しく変化してきている。

足が接地していない者が説く私論は空虚だ。

日々、足について学んで欲しいと願っている。

足がつけるようになってはじめて、スタートラインの手前に並ぶことができるから。


今日話した、血管と神経の話を、参加者は忘れないで欲しい。