2023年8月29日火曜日

体が硬いからこそヨガをやるのです。どれだけ体が柔らかいかだけで達成度をはかるのはやめましょう。

 ヨーガの一つであるアーサナは、失われた身体のバランスを取り戻す体位のことです。体の弱い部位には力を呼びさまし、凝り固まった部位には柔軟性を与えてくれます。運動であると同時に、身体の調和がよみがえるという副産物までついてきます。めりはりのついた体が手に入るだけでなく、心のゆとりまでが生まれてきます。

 アーサナは、人の外面である身体~筋肉、骨、腱、関節、臓器などの身体部位~を解き放つことによって、プラーナ(気)を作りあげ、コントロールします。プラーナは身体をひそやかに流れる生命エネルギーで、目で見ることのできる身体の部位よりも、より繊細でかすかなエネルギーのことです。こうしたエネルギーと同じように、アーサナ自体も、身体を清め、癒す力があると考えられています。

 私がヨーガを教えていると知ると、まず皆さんがおっしゃるのが、「私は体が硬いから、ヨーガなんてとても無理」ということです。そんなとき、私はこう返事をします。「硬いからこそ、みんなやっているんですよ!」体が硬いということは、ヨーガを始めない理由にはなりません。あなたがいまどんな状態であろうと、そのままですぐにヨーガは実践することができるのです。

 どれだけ体が柔らかく伸びるか伸びないかで、成果を判断するのは間違っています。一つのポーズを長く維持できないから、あるいは写真と寸分違わないポーズがとれないからといって、自分は力不足などとは思わないでください。体全体に意識を行きわたらせながら、徐々に練習を積んでいきましょう。

 ポーズをとったときの静止時間を長くしようと力むよりも、ゆったりと深い呼吸をするよう意識することが大切です。思い悩むよりも、まずはヨーガの旅を始めてみましょう。旅路の先には、思いがけない何かがきっと待っているはずです。

 どうしてもうまくポーズがとれなかったり、これ以上できないという壁にぶつかるときのポイントを、私は「エッジ(境界線)」と呼んでいます。快感が不快感に変わる境目で、自分で限界に達したと感じる瞬間のことです。この境界線は日によって変わるものだということが変わるものだということが、じきにわかってきます。心理的な限界と、肉体的な限界は違うものなのだということにも気づくでしょう。心と体、どちらのエッジも思いやりながら柔軟に対応し、体調や精神状態に合わせてメニューを変えていってください。

 限界ぎりぎりにとどまって練習を重ねるうち、ついに体が解き放たれ、新しい地平がひらけて、エッジがもっと先にのびる瞬間が訪れます。そのときになれば身体のなかから自然と合図が出てきますので、それまで待ちましょう。はやる心でヨーガに取り組むのは、配慮の足りないやり方です。慌てず急がず、身体があなたの意志を受けいれてくれるまで待つようにしましょう。

 ヨーガを行うときには、心を現在という時間にとどめるようにします。全神経を傾けて行に没入し、身体を流れるかすかな感覚にも意識を向けてください。行をおこなうということは、言うなれば自分の身体と対話するということです。柔軟な心を持ち、敬意をはらいながら、身体の言うことに答えるようにしましょう。

※ヨーガバイブル クリスティーナ・ブラウン 16-17Pより引用

 体が硬い人はよく、「私は体が硬いからヨガなんてしません」的な反応をされます。その理由のひとつに「自分だけできないのが恥ずかしいから」というのがあるそうです。「恥をかきたくない」という人ほど、「恥を知らず、恥をかくことの価値を知らない」とされています。人は恥をかきながら成長する宿命を持っていて、恥を怖れてしまうと何もできなくなってしまいます。恥をかきたくないという欲に呑まれた結果、大恥をかかされることになります。「大恥をかきたくなければ恥をかきなさい」と言われている理由です。

 もうおわかりかと思いますが、体が硬い原因のひとつに「恥をかきたくない」という邪念があるということです。自分の行動や態度で相手の態度や考え方を変えることができるという謎の深淵を持ち、自分の行動や態度にこだわる結果、過緊張でガチガチに体が固まっていきます。自分の言動や態度で、他者の自分に対する印象をコントロールできるという謎の信念から、「他人はこんな私を見て軽蔑するのではないだろうか」という謎の想像をしてしまうためです。誰からも関心なんて持たれていないのに(笑)。

 体が柔らかい人の特長のひとつに「他者は自分の思惑通りにはならない」という諦めがあります。「人を思い通りに動かせる」なんて傲慢不遜な考えを手放せています。人は基本的に変えられないものであり、他人を自分の思い通りに動かそうという発想自体に無理があるということを理解しています。心地よくリラックスして過ごせるので、体が芯からほぐれています。

 9月の安部塾ワークショップは、ハタヨガの安部塾的解説を予定しております。

■ループバンドを使ったエクサイズ

■ハタ・ヨガ 

①太陽のシークエンス

②首をほぐす体操

③手首と腕をほぐす体操

④山のポーズ

⑤木のポーズ

⑥戦士のポーズ

⑦立位の脇ストレッチ

⑧三角のポーズ

⑨半月のポーズ

⑩椅子のポーズ

⑫ねじった半月のポーズ

⑬立位の開脚の前屈

⑭深い前屈

⑮立位の片脚の前屈

⑯ねじった三角のポーズ 


☆下関ワークショップ

9月2日(土)→ 詳細

 

機能運動学大牟田サークル

9月3日(日) → 詳細 

 

☆東京ワークショップ

9月15・16・17・18 日(金・土・日・月)→ 詳細  

 

☆大阪ワークショップ

9月21日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

9月22日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

9月23日(土)→ 詳細

 

新宮校ワークショップ(休日)

10月1日(日)→ 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

9月28日(月) → 詳細