2022年9月8日木曜日

猫背を改善するための基礎知識。首と肩甲骨の意識について。

 

頭部前方位(頭蓋前方突出)姿勢と猫背

 頭蓋前方突出、上位頭頸部(上部頸椎)の過伸展の動作であると同時に、低~中位頸椎(下部頸椎)の屈曲が起きている状態です。

 上位頸椎から頭部の伸展は、頭部伸展筋である大・小後頭直筋、上・下頭斜筋などのはたらきによります。下位頸椎の屈曲は、頸部屈曲筋である胸鎖乳突筋などのはたらきによります。頭部前方位姿勢の慢性化によって、肩甲挙筋や頭半棘筋、大後頭直筋などの後頭下筋群に疲労が生じ、身体各所に痛みが生じるようになります。

頭部前方位姿勢と首の筋肉

 環椎後頭関節や環軸関節に関与する筋は中位から下位頸椎の安定性が必要となります。中位頸椎から下位頸椎の関与する筋は胸椎の安定性が必要となります。これらの拮抗関係を成立させるために、頭部屈曲と頸部伸展の拮抗関係を安定させるための上位胸椎でのさらなる安定性が必要になります。そのため、肩甲挙筋や僧帽筋などの筋群による肩甲骨の安定化により遠心性に頭部を制御し、さらに頸部屈曲に対し広背筋などの肩関節伸展筋や胸椎部の脊柱起立筋群を収縮させることで拮抗力をつくりだします。結果として、上肢を引き込む動作が慢性化することになります。

 胸鎖乳突筋の停止部である乳様突起は、本来は胸鎖関節よりも後方に位置しますが、頭部前方位姿勢の場合、胸鎖関節直上にきます。なので安部塾では、胸鎖関節よりも後方に乳様突起を引くようにする誘導を多用しております。


胸鎖乳突筋(乳様突起と胸鎖関節)

 頭部を突き出した姿勢を長時間保持していると、筋の静止長が変化してしまい、前方位姿勢を自分の自然な姿勢として認識するようになってしまいます。悪い意味で、慣れてしまうのです。徐々に頸部前方筋が短縮してしまうので、姿勢の崩壊に気がつきません。

 安部塾では、僧帽筋下部繊維と前鋸筋下部繊維の活動を促す=肩甲骨を下げるよう指示します。肩甲骨を下げることで、頭部前方位に起因する筋の代償運動を減らすことができます。肩甲骨の安定化によって、頸部周囲の筋バランスを効果的に改善することができます。僧帽筋下部繊維が覚醒して肩甲骨の下制が楽にできるようになると、肩甲骨の上方回旋偏位がでにくくなってきます。

 そして、肩甲骨の安定化のひとつのテクニックとして、股関節の内外旋を意識したステップ(足踏み・足運び)ワークがあります。結果的に、頭部前方位が改善します。

9~10月の各地のワークショップで解説いたします。

☆東京ワークショップ

9月9・10・11日(金・土・日)→ 詳細

  

☆新宮校ワークショップ(休日)

9月18日(日)・25日(日) → 詳細 

 

☆大阪ワークショップ

9月23日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

9月24日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

9月25日(土)→ 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

9月26日(月) → 詳細

 

☆下関ワークショップ

10月1日(日)→ 詳細