今月の各地での講座で「小指の使い方」を解説してまいります。最近の身体操作界での定番ネタですが、安部塾での小指の使い方の考え方もそれなりに面白いと思います。有料オンライン塾生講座で公開しているので、オンライン塾生さんはチェックされてください。
基本的な小指の使い方のひとつは「小指を折り込む」というものです。小指に力が入ると、腹横筋下部繊維・骨盤底筋群(≒丹田)やハムストリングス≒腿裏にも力が入り、腰が安定し、脚を振り出しやすくなります。ピラティスやヨガで、小指の使い方をやかましく指摘されるのはこのためです。筋トレのサムレスグリップなんかもそうですね。
日本の伝統的な構えの手である「わし手(ワシのくちばしの形)」が体感しやすいと思いますが、こうすると上腕三頭筋(二の腕)が締まります。
小指の使い方(わし手) |
よく勘違いされている手の型なのですが、親指と人差し指に力を入れてしまう人がいます。そうすると、つまむ動きになってしまうために小指が抜けて二の腕がゆるみます。
刀剣で説明するとわかりやすいのですが、振る動きのときは小指で握り、まわす動きのときは親指と人差し指でつまみます。まわすときは、小指を立てます。物を握るときは小指は立ちませんが、まわそうとする≒つまもうとするときは立ちます。小指を伸ばす伸筋を緊張させ、人差し指を曲げる屈筋の力と拮抗させることで微妙な力加減を調節することができます。引き換えに、小指を曲げて屈筋を使ったときに得られる鋭いパワーを失います。
刀剣を握る・つまむ |
ちなみに、微妙な声の調整をしようとすると、マイクを持った手の小指が立ちます。声にパワーを込めるときは、小指を曲げてマイクを握りしめているはずです。
そんなこんなで、手の小指が使えないと、身体全体の動きがよくなりません。各地の講座で詳しく解説したいと思います。