昨日のレッスンで、ふとももの裏の筋肉(ハムストリングス)のゆるめ方の解説をしました。楽に床に手をつくためには、拮抗筋についての理解を深める必要があると思います。拮抗筋とは、互いに相反する運動を行う2つの筋肉または筋肉群のことをいいます。
たとえば、上腕二頭筋 (屈筋) と上腕三頭筋 (伸筋) は互いに拮抗筋です。拮抗作用は,筋肉が円滑な運動をするうえに重要な役割を果しています。
立位体前屈と大腿筋膜張筋・縫工筋 |
■大腿筋膜張筋
起始:腸骨稜の前方外側端
停止:腸脛靭帯を通過して脛骨外側顆
作用:股関節の屈曲・外転・内旋
■縫工筋
起始:上前腸骨棘
停止:鵞足を通過して脛骨粗面内側
作用:股関節の屈曲・外転・外旋
ハムストリングス |
ハムストリングは太ももの裏側の筋肉で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称です。
■大腿二頭筋
■腸骨筋
起始:長頭は坐骨結節、短頭は大腿骨粗線外側唇
停止:腓骨頭
作用:股関節の伸展・外旋、膝関節の屈曲、屈曲した膝関節の外旋
■半膜様筋
起始:坐骨結節
停止:脛骨内側顆
作用:股関節の伸展・内旋、膝関節の屈曲、屈曲した膝関節の内旋
■半腱様筋
起始:坐骨結節
停止:鵞足腱を通過して脛骨内側
作用:股関節の伸展・内旋、膝関節の屈曲、屈曲した膝関節の内旋
■大臀筋下方繊維(下部繊維)
起始:腸骨稜後面、仙骨、仙結節靭帯
停止:大腿骨大転子、臀筋粗線
作用:股関節の伸展・外旋・内転
腸骨筋 |
起始:腸骨窩、仙骨翼
停止:大腿骨小転子
作用:股関節の屈曲・外旋
恥骨筋 |
■恥骨筋
起始:恥骨上枝(腸恥隆起から恥骨結節までの間の恥骨櫛)
停止:大腿骨恥骨筋線
作用:股関節の内転・屈曲
『相反神経支配(相互神経支配)』
たとえば、屈筋の張力が増すときには伸筋の張力が減退するというように、ある関節を動かす拮抗筋 (相反する働きをする筋) の一組については、協調的な神経支配が行われること。一般に、ある関節で屈筋の収縮により屈曲するとき、その拮抗筋である伸筋は抑制され弛緩します。逆に伸筋が収縮するときは屈筋が抑制され弛緩します。
立位体前屈がつらいのは、ふとももの裏とお尻(ハムストリングスと大臀筋)が硬いからです。これらは、股関節伸筋群ですので、股関節屈筋群を意識して収縮させることで、ふとももの裏とお尻やわらかくなるということになります。股関節屈筋群は、恥骨筋、腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜長筋、薄筋などです。
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