2026年6月8日月曜日

自家製魚醤のつくり方

​基本の魚醤のつくり方

​1. 材料と道具

  • 生の魚(一種類でも、雑魚を混ぜてもOK):500g
    • おすすめ:カタクチイワシ、アジ、イワシ、鮎など(内臓や頭に酵素が豊富に含まれているため、丸ごと使います)。
  • 粗塩:100g〜125g(魚の重量の20〜25%)
  • 清潔なガラス瓶(煮沸消毒またはアルコール消毒したもの)
  • 密閉できる蓋(または、ガスが抜けるようにペーパータオル+輪ゴム)

​2. 仕込みの手順

  1. 魚を洗って水気を完全に拭き取る 魚をサッと水洗いし、表面の汚れを落とします。水分は腐敗の天敵なので、ペーパータオルでこれでもかと徹底的に水気を拭き取ってください。
  2. 塩と魚を混ぜ合わせる ボウルに魚と塩を入れ、全体によくまぶします。イワシなどの小さな魚は、手で少し潰しながら塩をなじませると、水分(じょじょ)が出やすくなります。
  3. 瓶に詰める 消毒した瓶に、空気が入らないようギトギトと押し込みながら詰めていきます。最後に表面を覆うように、分量のうちの「追い塩」を少し振っておくとカビ予防になります。
  4. 仕込み完了 蓋を軽く閉めるか、最初の数週間はガスが出る可能性があるため、ペーパータオルを被せて輪ゴムで留めておきます。

発酵・熟成のプロセス(時の経過を楽しむ)

  • 直射日光の当たらない涼しい場所(または常温)で保管します。
  • 1ヶ月目: 数日で魚から液体(エキス)が上がってきます。1日数回、瓶を優しく振って塩を均一になじませてください。次第に魚の形が崩れてドロドロになってきます。
  • 3ヶ月〜半年: ドロドロの液体状になり、熟成が進みます。この頃には独特の発酵臭(魚の強い香り)がしてきます。
  • 1年後(完成の目安): 完全に液体と固形物(骨など)が分離し、上澄みが琥珀色〜濃い茶色になってきたら、いよいよ絞り時です。

​仕上げ(絞り・火入れ)

  1. 濾(こ)す ザルにキッチンペーパーや固く絞った清潔な布を敷き、瓶の中身をあけます。時間をかけてじっくりと液体を滴らせて濾過します。
  2. 火入れ(アク取りと殺菌) 濾した液体を鍋に入れ、弱火にかけます。沸騰直前で火を弱め、出てくるアクを丁寧にすくい取ります。数分加熱することで、酵素の働きを止め、香りをまろやかにし、保存性を高めます。
  3. 保存 冷めたら清潔な瓶に移します。塩分が高いため、冷暗所(または冷蔵庫)で年単位で保存可能です。

​失敗しないためのワンポイント・アレンジ

  • 「米麹」をプラスする裏技 魚と塩だけでもつくれますが、もし手元に米麹(乾燥または生)があれば、魚の重量の10%〜20%ほどを一緒に仕込むのがおすすめです。麹の糖化酵素が加わることで、発酵が安定しやすく、魚特有のクセが和らいで甘みとコクのあるマイルドな魚醤に仕上がります(この場合も、塩分は「魚+麹」の総重量の20%以上にしてください)。
  • 内臓の脂に注意 サバやサンマなど、脂の乗りすぎた大型の青魚は、油分が酸化して臭みの原因になりやすいです。初めての場合は、カタクチイワシ(シコイワシ)やアジの小魚、または白身魚のアラなどから始めるのが失敗がなくておすすめです。

​ じっくり時間をかけて育った自家製の魚醤は、市販のものとは一味違う、尖りのない深い旨味があります。炒め物の隠し味や、スープのベースに一垂らしすると絶品です