1. 腸骨筋(Iliacus)と大腰筋(Psoas)の違い
- 一般的には: 骨盤の内側にある「腸骨筋」と、背骨から伸びる「大腰筋」は、太ももの骨(大腿骨)の手前で合流して一つの腱(共通腱)になるため、総称して腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれます。
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動きの違い: 脚を前に持ち上げる動作(股関節の屈曲)は共通していますが、ひねる動き(回旋)が真逆です。
- 腸骨筋: 内旋(太ももを内側にねじる)
- 大腰筋: 外旋(太ももを外側にねじる)
2. NKT(NeuroKinetic Therapy)の視点
NKTとは、脳の運動制御システムに着目し、「どの筋肉がサボっていて(低活動)、どの筋肉がその身代わりとして頑張りすぎているか(過活動)」を突き止める徒手療法・検査法です。本文では以下の3つの機能不全(アンバランス)が挙げられています。
- ① 腸骨筋(過活動)× 大腰筋(低活動)
- 同じ性質を持つはずのペアですが、大腰筋がサボった結果、腸骨筋が2倍頑張ってしまい、股関節が内旋方向に拘縮(硬くなる)しやすくなります。
- ② 腸骨筋(過活動)× 大臀筋(低活動)
- 大臀筋は「お尻の筋肉」で、股関節を後ろに伸ばす(伸展)役割があります。脚を前に曲げる腸骨筋とは「主働筋と拮抗筋(ブレーキとアクセル)」の関係です。アクセル(腸骨筋)が踏まれっぱなしになると、ブレーキであるお尻の筋肉(大臀筋)が働かなくなり、お尻が垂れたり、反り腰や腰痛の原因になります。
- ③ 腸骨筋 × 腹斜筋(lumbopelvic torsion:腰盤膜のねじれ・骨盤の歪み)
- 「lumbopelvic torsion」は骨盤や腰椎が左右非対称にねじれている状態を指します。骨盤の内側にへばりついている腸骨筋が硬くなると、お腹の横の筋肉(腹斜筋)との連動が上手くいかなくなり、体幹の非対称なねじれや、それに伴う慢性的な腰痛を引き起こします。