2018年5月31日木曜日

首の緊張をゆるめて頭部を正しい位置へ~脊柱を二方向に伸ばす=脊柱の軸伸展~反り=バックベンド(後屈)

6月21日(木)の大阪集中講座と7月8日(日)の薬院校ミニ講座は、「首の緊張をゆるめて頭部を正しい位置へ~脊柱を二方向に伸ばす=脊柱の軸伸展~反り=バックベンド(後屈)」やります。

頭部のバランスと脊柱

頭の重さは、4500~7000gくらいです。

環椎後頭関節が、頭蓋骨重心よりわずかに後方に位置すると姿勢保持筋が作用します。

頭蓋骨重心は環椎後頭関節よりわずか前方にあります。

このため、頸部(首)の緊張をゆるめないと、脊柱最上部に過度な負荷がかかります。

頭部前方位置姿勢といいます。

頭部前方位置姿勢と頭部後方位置姿勢 筋骨格のキネシオロジーより

詳しい解説は、筋骨格のキネシオロジーに書いてあります。


頭部が正しく位置すると、脊柱が上下(二方向)に伸びます。

頭部の繊細なバランスを保つと、身体全体が伸びるのです。

首が解放されることで、深い呼吸ができます。

効率的に身体を使えるようになります。


習慣化している間違った意識の使い方をやめ、正しい意識の使い方を選択します。

ある刺激に対してこれまで通りの反応はしないということです。

代わりに、意識的に正しい支持を身体に与えます。

習慣化し定着してしまった無意識的な動作の書き換えです。


首の解放と関節の解放ができたら、楽に脊柱を伸展(後屈)する=反らすことができます。

楽に脊柱を後屈(バックベンド)できることが、心を解放できているひとつの指標です。

ただし、脊柱が伸展できるからといって、心が解放できているとは限りません。

心が解放できていれば、特別な練習をしなくても脊柱の伸展くらい楽々できます。


身体訓練のみで反れるようになった脊柱はボロボロ=不安定です。

意識の抑制と書き換えで反るようになった脊柱はタフ=安定です。


いつも塾生に語っていることですが、

「身体が楽に動いていない時点で、意識の使い方は何もかも間違っている」

のです。


身体が動かない人は、出さなくてもいい指示を身体に対して出します。

そして、自分の周りの人たちに対しても、出さなくてもいい指示を出します。

関節操作系の回路と対人関係調整系の回路の構造が同じだからです。

力づくで身体を動かす人は、力づくで他人を動かそうとします。


関節がボロボロな人の対人関係がボロボロな理由です。

見た目に暗いのと、ナルシシズム・うぬぼれが強烈なのが特徴です。


私の周りの身体の使い方がうまい人たちは、加藤諦三先生の言葉が大好きです(笑)。

間違った選択をした上で、忍耐力でがんばるといよいよ泥沼に陥る。忍耐力はいいことでも悪いことでもない。望ましい選択をしたときには望ましく、間違った選択をしたときには忍耐力は傷を深くするだけである。

自分を防衛している人はすぐムキになる。自分の神経症的自尊心が常に傷つく可能性があるからである。傷つきそうになるとムキになる。

劣等感が強ければ、人と親しくなるよりも、人から尊敬されることを求める。そして、常に相手に優越しようとするから人と親しくはなれない

うつ病になるような人は相手を見ていない自分の立派さを売り込むことに気を奪われて、相手を見ていない。

自己陶酔と自信との違いは何だろうか。
自信は周囲の人の同意を必要としない。
しかし、自己陶酔は周囲の人の同意を必要とする。
ナルシストは、周囲の人に「自分はすごいだろう」と同意を求めすぎるのである。
そして、それが得られないと、傷ついて不満になる。

神経症的傾向の強い大人は、「夢」を実現すれば、今抱えている問題が一気に解決すると思っている。

うぬぼれとは、現実に接していない本人の独りよがりである。ひとりで勝手にうぬぼれている。そしてうぬぼれが現実と接触したときに劣等感が生じる。劣等感に苦しんでいる人は、心の底のそのまた底で、うぬぼれている
「実際の自分」を受け入れたときに、うぬぼれも劣等感も消える

人の意見を聞かない人は、自分で自分の首を絞めている。
自分の描く愛情のイメージに相手をはめ込んでいく人がいる。自分が好意の押し売りをしていることに気がつかない。相手が求めている愛情の種類が分からない。

気分は外からくるものでも、内からくるものでもなく、そこにいる自分の行動によって決まってくるのである。


引用ここまで


身体操作が下手な人たちって、加藤先生の言葉を好まない傾向がある気がします。

普通に考えて、意識の抑制ができる人は上のような言葉が好きでしょうから当然と言えば当然だと思いますが(笑)。

ナルシシストは、正しい身体操作をすることはできないと思います。

なので、ナルシシズムの克服をテーマにするのが安心安全な道だと考えています。


そう。

頭部中立位姿勢とは、うぬぼれるのをやめるのと同時にとれる姿勢なのです。

うぬぼれている限り、頭の位置は永久に定まりません。

2018年5月23日水曜日

姿勢を正さなくてはいけない理由~運動で痩せるのは難しい

「姿勢を正さなくてはいけない理由」

よくまとめられています。




運動で痩せるのが難しい理由も(笑)。




姿勢にしても体型にしても、迷信がまかり通っています。

姿勢や体型が崩壊している人が思いつくことは、的外れなことが多いものです。


基礎代謝も含め、姿勢や体型を改善したいのであれば、機能運動をするのが自然です。

機能的に身体を動かすことで、合理的に効果をあげることができます。

2018年5月22日火曜日

呼吸と脚の開閉(シザース)

これ、明日からの関西~下関で流行らせるあるよ❤️

吸って座骨寄せて、吐いて腸骨寄せて🎵

2018年5月17日木曜日

動作と呼吸~「吸う」「吐く」はどっち? ~ あなたはもっとも多くの時間をともに過ごしている5人の平均である。

告知するのを忘れてましたが、明日から3日間東京集中講座です。

→ 5月18~20日東京集中講座

参加してねw


さて、「呼吸」です。

動作時、お腹をふくらませません。

かわりに、肋骨(胸郭)を立体的に使います。

吸うのは鼻から。

動きを支持してくれるように呼吸します。


基本は、「パワーを発揮するときに吐く」。

ただし、動きによっては吸った方がいい場合もあります。

なので、「どっちの方が動きやすいのか?」を感じるようにします。

正確な呼吸とは、心地よい呼吸でもあります。


 Jim Rohnの言葉

「あなたはもっとも多くの時間をともに過ごしている5人の平均である」


「誰と付き合うか」によって、価値観に大きな影響を受けます。

 毎日、どんな人と過ごしているか?

何を話しているか?

自分の価値観が、一緒に過ごす時間の長い人たちに近いのがわかるはずです。


呼吸が感染してしまうのです。


人は、無意識のうちに周囲の人から影響を受けてしまいます。

姿勢
声のトーン
言葉づかい(話し方)
しぐさ
顔つき(表情)
筋肉の使い方
代謝
時間の使い方
持ち物
……なにもかもです。

周囲にいる人が、自分の考え方や行動や人生の成功まで決めてしまいます。

なんでも真似しようとするミラーニューロンをなめてはいけません。


自分を変えたいと思うなら、付き合う人を変えるのが基本です。

誰と付き合うか吟味しましょう。


それが、動作と呼吸を中立にする基本です。

2018年5月16日水曜日

呼吸の中間位(ニュートラルポジション)と身体の中間位(ニュートラルポジション)

脳の機能を最適化するためには、呼吸と身体を中間位(ニュートラルポジション)にもってくる必要があります。

思考・感情の癖=呼吸の癖=身体の使い方の癖だということです。

感覚的には、呼吸と感情が安定している位置。

それが「中立位(ニュートラルポジション)」です。


中心をはずして偏れば、人はみな崩壊します。

フットプリント一枚とれば、自分がどれだけ偏っているのか確認できます。

偏った身体・偏った呼吸・偏った脳機能で思いつくことは、崩壊ネタばかりです。

自分に有利な判断をしていくためにも、中立位に自分を置いておくことが大切なのです。


ワコールのサイトより(笑)。

→ 呼吸が深く、ウエストが細く?! 胸郭の「歪み」対策法公開。【ワコール ボディブック】

心身の健康と美しさに不可欠な、深い呼吸。そのためには、呼吸活動の7割を担う横隔膜を包んでいる「胸郭」がニュートラルな状態であることが必須。ところが、ほとんどの人の胸郭には大なり小なり歪みが…?! そこで今回は、胸郭をニュートラルポジションへと近づける秘策を大公開!今すぐできて、呼吸が深くなるのを即実感。しかも同時にウエストラインがすっきりし、それにより筋肉が機能しやすくなって呼吸がさらに深くなるという、うれしいスパイラルが!

引用ここまで

いい文章ですねw


息を吐くと、胸椎部は屈曲しながら、胸郭はとじてさがります。

なので、息を吐いて胸椎部の屈曲を促します。

息を吸うと、胸椎部は伸展しながら、胸郭は横にひらきあがります。

なので、息を吸って腰椎の伸展を促します。


腰椎を安定させたいとき、腹部の収縮を維持します。

そのために、脊柱を伸展するとき、息を吐くことがあります。


胸椎部を屈曲するとき、胸郭を骨盤前面に向かって滑りおろします。

胸椎部を伸展するとき、胸郭をひらきます。

腹部は締めたままです(脊柱安定性の確保)。


身体操作の基本は、方法論や流派を問わず共通です。

目的が違うので、違って見えるだけです。

正解か不正解かは、実践者の思考・感情・呼吸が中立位にあるかどうかでわかります。

偏っていたら不正解です。


正確な呼吸と正確な身体操作。

迷わずに中間位を求めましょう。

2018年5月15日火曜日

生きるということは、息をするということ~正確な呼吸は、動きによって導かれる。

呼吸


この論文も面白いです。

様々な呼吸法における腹部筋活動と腹腔内圧からみたトレーニング強度と方法の検討

腹腔内圧の増大を伴う腹筋強化には瞬間的に息むような呼吸法,一方,腹部の持続的な筋緊張を維持するにはピラ式と強制呼気を混合させた呼吸法が有用かもしれない。

引用ここまで


身体のパーツが正確な位置にあること。

身体の動きが正確であること。

腹腔内圧を安定させれること。

そうすると、日本古来の呼吸「息長」ができます。


「いぶき・いぶく」とは、息を吹くことを意味します。

伊吹(息吹)は息長のシンボルだと思います。


話を戻して、

正確に息をすることが、明るく生きる基本だと思います。

メンタルワークの行き着くところは、「正確な息」だという気がします。

息すらまともにできていない状態で何をやってもどうにもならないと思うのです。


息々(いきいき)することで、イキイキした人生になるということです。


身体操作の先輩たちはみんな、深い息をすることの大切さを語られてありました。

そして、正確な身体操作だけが、正確な呼吸につながることも語られてあります。

不正確な動きでは、本来使うべきでない筋肉を使うので呼吸が乱れるのです。

これは不正確な身体アライメントの場合も同じです。


安部塾の原点は「息を吹くこと」です。

正確に息を吹けば、人生がとてつもなく明るくなります。

腹腔内圧を上昇させるためには、腹腔壁をすべて緊張させなければなりません~自分らしく生きるということは、自分の身体機能に最適化された呼吸をすることです。

ふく‐あつ【腹圧】

腹筋と横隔膜の収縮によって生じる、腹腔内の圧力。排便・排尿を助けるほか、女性では出産のとき、子宮の収縮とともに分娩(ぶんべん)の原動力となる。

[呼吸と腹圧]

 横隔膜が収縮すると,上方に凸のドームが扁平になり,その分だけ胸腔が広がり,胸膜腔内の陰圧が増し,息を吸いこむ(吸気)。また横隔膜が弛緩すると,ドームは再び上方に向けて高まり,胸腔が縮小して息をはき出す(呼気)。

引用ココまで

腹腔内圧

この論文が面白いです。




まず、息を吸うと必ず腹腔内圧が下がります。

腹腔内圧を上昇させるためには、腹腔壁をすべて緊張させなければなりません。

腹横筋、横隔膜、骨盤底筋がメインです。

ゆるみがあると、腹腔内圧が上昇しません。

で、腹筋の緊張が上昇しても、腹腔内圧とは相関しません。

屈曲モーメントを脊柱に加えるような背筋のトレーニングは、腹腔内圧と相関します。

細かいことは講座で説明した通りです。


で、またしても固有受容器です。


腹腔内圧が一定に保たれていると、身体を効果的に支えることができます。

呼吸による空気の出し入れで腹腔内圧が変化します。

腹横筋、横隔膜、骨盤底筋には、腹腔内圧を一定に保つための固有受容器があります。

自動制御なのです。


「人間らしく生きるためには、人間らしい呼吸ができていなければなりません」

「自分らしく生きるということは、自分の身体機能に最適化された呼吸をすることです」

なんてことがよく言われますが、実際その通りだと思います。

そしてそのためには、すべての骨が正しい位置にある必要があるのです。

今月は、このあたりの解説も織り交ぜていきます。

2018年5月12日土曜日

お尻とお腹と脚が美しくなる~股関節機能改善エクササイズ

最近の安部塾で流行中のエクササイズ

股関節機能改善w

わりとメジャーなテクニックですが、意味を理解してやると効果抜群です(笑)。

2018年5月7日月曜日

仙骨・腸骨・座骨の動き

GW集中講座で、仙骨の動きの解説をしました。

仙骨と尾骨

仙骨と腸骨は、逆方向に動きます。

仙骨の「うなずき」と「のけ反り」

仙骨がうなずくと、腸骨がせばまります。坐骨はひろがり、骨盤全体は前傾。

仙骨と腸骨と坐骨の動き

この状態を、「骨盤が締まる」と表現します。


身体の動きと仙骨の動きのつながりを理解できると、楽に動けます。

今週は、仙骨についての解説をしたいと思います。

2018年5月6日日曜日

「ほわーい?」で、上体ねじりのコツをつかむ。

今日の講座の一幕。

肩甲挙筋の使い方の解説。

ほわーい? おーまいがー

某塾生が訂正してくれましたw

「ほわーい?」を正しくやると、上体ねじりが楽になります。

どこで曲がるのか? どの方向に曲がるのか? 軸の意識

今年のGW集中講座は、「どこで曲がるのか?」「どの方向に曲がるのか?」にこだわって解説をしています。

距腿関節と距骨下関節の動き

軸を意識したうえで、きっちり方向を合わせて動く。

そうすると、関節が密着して滑らかに動きます。

傍目には地味ですが、確実に自分本来の動きになります。

関節の機能通りに動くことで、さまざまなことがどんどんよくなっていきます。


今日は最終日。

きれいにまとめてきます。

2018年5月2日水曜日

骨盤操作法(ヒップワーク)の解説を再開します~陽気になる~骨盤と感情

5月24日(木)の大阪集中講座と26日(日)の神戸集中講座で、「骨盤操作法」の解説をします。

5月3日(木)の薬院校GW集中講座でも。

骨盤の傾き

骨盤の側方傾きと回旋

骨盤前傾と大腿の筋肉

骨盤の側方傾き・回旋と連鎖

10年くらい前は、骨盤の解説漬けでした。

原点回帰が続いています。

最近、かなりみっちりと足の解説をしたので、次元が違う骨盤の解説ができそうです。

機能的に骨盤を動かすと、人間的魅力が爆上げとなります。


いまではすっかり常識になりましたが、骨盤には怒りが蓄積されます。

「骨盤は怒りを記憶する」のです。

より正確には、胸郭下部(横隔膜)と骨盤(骨盤隔膜)です。

そうなると「快感」を感じることができなくなり、喜び(悦び)の感情が失われます。


欲求不満な人の骨盤の動きは美しくありません。

対人関係も混乱を極めます。


過去記事 → 股関節と感情~みぞおちを解放すると股関節をやわらかくなる理由

いいこと書いてるなあ(自画自賛・笑)。


よく、「感情は股関節から生まれる」と言いますが、あながち嘘ではありません。

機能的な股関節の持ち主と付き合ってみると、それがよくわかります。


3日の薬院校GW集中講座で語り倒します。

2018年5月1日火曜日

腰椎骨盤リズムと股関節の動きの理解を深める

今日の塾生講座のテーマは、「腰椎骨盤リズム」でした。

参加者復習用画像。

腰椎骨盤リズム 筋骨格のキネシオロジーより

腰椎と骨盤の動きが、同方向か反対方向かが大切だというお話。

股関節の屈曲・伸展~骨盤の前傾・後傾~体前屈・後屈の関係。

股関節の外転・内転~骨盤の挙上・下制の関係。

これがわかっていないと、お話になりません。


立位体前屈がイメージしやすいです。

立位体前屈・後屈と腰椎骨盤リズム 筋骨格のキネシオロジー

5月3日のGW集中講座でも解説します。