槌状趾(マレットトゥ)、鉤状趾(クロートゥ)、ハンマー趾(ハンマートゥ)は、いずれも足の趾の関節が異常に曲がってしまう「足趾変形」ですが、「どの関節が」「どちらの方向に」曲がっているかによって明確に区別されます。
基本となる足の関節の名称は以下の3つです。
- MTP関節:足趾の付け根の関節(中足趾節関節)
- PIP関節:足趾の第1関節(近位指節間関節:付け根に近い方)
- DIP関節:足趾の第2関節(遠位指節間関節:爪に近い方)
- ※母趾(拇趾)だけは関節が1つ少ないため、IP関節(指節間関節)と呼びます。
それぞれの違いを視覚的に分かりやすく整理すると、以下のようになります。
1. 槌状趾(マレットトゥ / Mallet Toe)
もっとも爪に近いDIP関節だけが「くの字」にカクンと曲がっている状態です。
- 変形パターン:MTP関節=まっすぐ、PIP関節=まっすぐ、DIP関節=屈曲(下向きに曲がる)
- 特徴:足趾の先端(爪の先や腹)が地面に強く押し付けられるため、爪の周囲や足趾の先端にタコができやすいのが特徴です。母趾に起こる場合は「槌状拇趾」と呼び、IP関節が下を向きます。
2. 鉤状趾(クロートゥ / Claw Toe)
鳥の「かぎ爪」のように、全体的に丸まり込むように激しく曲がっている状態です。
- 変形パターン:MTP関節=伸展(上向きに反る)、PIP関節=屈曲(下向き)、DIP関節=屈曲(下向き)
- 特徴:付け根が上に反り、先の2つの関節がどちらも下に曲がるため、足趾全体が縮こまります。靴の天井に足趾の背(PIP関節)が擦れてタコができやすく、足の裏の付け根(中足骨頭)にも強い圧迫がかかります。神経障害や筋肉のバランス崩壊が原因となることが多いです。
3. ハンマー趾(ハンマートゥ / Hammer Toe)
横から見たときに、金槌(ハンマー)のように中央のPIP関節が山なりにボコッと突き出ている状態です。
- 変形パターン:MTP関節=まっすぐ(または軽く上反り)、PIP関節=屈曲(下向きに強く曲がる)、DIP関節=まっすぐ(または軽く上反り)
- 特徴:第2・3・4趾によく見られます。もっとも突き出ているPIP関節の背側が靴に強く擦れるため、ここに厚いタコやウオノメ(胼胝・鶏眼)ができ、痛みを伴うケースが非常に多いです。
3つの違いのまとめ
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変形の種類 |
付け根(MTP) |
第1関節(PIP) |
第2関節(DIP) |
主なタコ発生部位 |
|---|---|---|---|---|
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槌状趾 (マレット) |
まっすぐ |
まっすぐ |
下向きに屈曲 |
趾の先端、爪の周囲 |
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ハンマー趾 |
まっすぐ |
下向きに屈曲 |
まっすぐ |
趾の背(第1関節の突出部) |
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鉤状趾 (クロー) |
上向きに伸展 |
下向きに屈曲 |
下向きに屈曲 |
趾の背、足裏の指の付け根 |
いずれの変形も、初期のうちは手で触ればまっすぐに戻る「柔軟性変形」ですが、放置して筋肉や腱の短縮、関節包の拘縮が進むと、骨自体が固まって動かなくなる「硬直性変形」へと移行します。靴のフィッティング(足趾の収まるトウボックスの高さと長さ)や、足底内在筋と外在筋の緊張バランスの崩れが主な引き金となります。