ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 より引用します。
胸鎖乳突筋(スーパーフィシャルフロントライン、ラテラルライン)230P
頭部と頚部を前下方に引っ張り、前方へのずれを引き起こす筋群の中で最大の筋である。胸鎖乳突筋は、頭部にとって重要な筋膜による緊張を生じさせる。頚静脈と頚動脈に近いため、アプローチにナーバスになる施術家も多い。それももっともなことである。これらの構造体はデリケートで非常に重要であるため、かなりの慎重さが必要となる。しかし、それらを覆う胸鎖乳突筋は非常に動作性が高い頭部や頚部の周辺のバランスを取り戻す最初のステップとして、伸ばされなければいけない場合も多い。
表層シリンダー:僧帽筋と胸鎖乳突筋 208-209P
頚部には広頚筋があるが、頚部を保護し、動かしている主な筋は、浅頚筋膜の2層の中に位置している。棘突起と項靱帯から発生している僧帽筋(表層部の筋膜の中に入っている)は頚部後面を包んでいる。もちろん、僧帽筋は肩の筋であり、じょうわんとの関係については第9章で扱っている。しかし、僧帽筋は頚を保護し、回す役割も持っている。
僧帽筋の最上部は、後頭から鎖骨の部分である。後頭部の後内側面から、下前方へ、鎖骨の外側3分の1に向かって走行している。僧帽筋のその下の部位(頚から肩峰の部分)は頚部の棘突起から、下外側へ、肩甲骨の先端へ走っている。これらの部分はともに(胸鎖乳突筋のように)、肩の上の頭部の反対側への回旋筋であり、肩を挙上する筋でもある。しかし、これらの機能は異常となることもある(われわれはこれを機能不全と呼ぶ)。そして、肩は頚部や頭部を過度に安定させてしまうことがある。この一般的な機能障害は、頭部を安定させる軸機能において付属器官である肩でも起こり、さまざまな肩の損傷の原因となる。
図8.9 |
胸鎖乳突筋は頚の側面と前面を覆っている(図8.9)。胸鎖乳突筋は頭部の反対側への回旋筋である。しかし、姿勢筋としての役割が大きく、機能不全時には、頭部を前下方に引っ張る。胸鎖乳突筋と僧帽筋は、同じ筋膜に包まれている。ほぼすべての患者において、この筋膜は、前下方に引っ張られているため、後上方に動かさなければいけない。
この2つの筋は、人間が胚の状態の時は1つであるが、鎖骨の発達によって、2つに分けられる。2つの頭を持つ胸鎖乳突筋の胸骨への下の付着点は容易に触診が可能である。そして、より幅が広く、外側にある鎖骨頭は、鎖骨の内側3分の1に付着している。
図8.8 |
そのため、僧帽筋の前縁と胸鎖乳突筋の後縁は、鎖骨の中3分の1で分離されている。上部では、後頭側面と後側頭骨で2つの筋が近づいており、筋膜は融合している(そして、頭蓋骨へと上昇して、頭蓋筋膜と融合している)。2つの筋の間に形成されている長く、細長い長めの三角形は、この表層を囲む筋膜の奥にある斜角筋などのモーターシリンダーに該当する筋への窓となっている。
引用ここまで
安部塾では、胸鎖乳突筋と僧帽筋は同じ筋肉であると考えています。引用元の内容を読んでもらえば、そう考えている理由がわかると思います。首コリ・肩コリとは、「肩が頚部や頭部を過度に安定させてしまっている状態」だと考えているので、「余計な力を入れない=無駄な力を抜く」ためのエクササイズにこだわっています。
明日の大手門ワークショップで、解説します。
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