エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
股関節の伸展
股関節の伸展は、骨盤の後面と大腿骨の後面の距離が縮まる。
1,骨盤に対する大腿骨の運動
固定された骨盤に対し大腿骨が後方へ回転して股関節は伸展する(図A)。この運動は後方へ歩くときに観察できる。股関節の伸展の可動域は、20°である。股関節の伸展は関節の前方にある靱帯と筋肉の緊張によって制限される。
骨盤に対する大腿骨の運動 |
2,腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズム
固定された大腿骨上で骨盤を後傾させると、腰椎と骨盤が同じく後方へ回転する。この運動は、後ろに体幹を反ったり(図B)、つま先を触れた後に直立した姿勢に戻る運動で観察できる。骨盤と腰椎とが同じ方向へ一体となって回転する運動である。
腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズム |
3,腰椎と骨盤が反対方向へ動く腰椎骨盤リズム
体幹を直立させたまま骨盤後傾すると、大腿骨のうえで骨盤は回転し腰椎は反対方向へ回転する(図C)。この運動は、骨盤前傾で説明された運動と反対方向の運動である。体幹を直立させたまま骨盤後傾すると、腰椎の弯曲は少なくなる。
腰椎と骨盤が反対方向へ動く腰椎骨盤リズム |
引用ここまで
腰を反らすとき、腰椎骨盤リズムが乱れていると、痛みやケガの原因となりがちです。このため、「股関節の伸展とはどういうことなのか?」ということをよく理解しておく必要があります。運動で身体を壊してしまう人は、身体の一部だけを意識して不自然な動きを誘導してしまう傾向があります。運動連鎖を意識して動くことで、自然な動きになります。