エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
股関節の屈曲
股関節の屈曲は、骨盤前面と大腿骨前面の距離は縮まる。
1,骨盤に対する大腿骨の運動
固定された骨盤に対し大腿骨が前方へ回転しながら股関節は屈曲する。膝(または大腿)が胸部の方へ近づく運動として観察できる(図A)。股関節中間位での屈曲の可動域は、0~120°である。
骨盤に対する大腿骨の運動 |
2,腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズム
腰椎と骨盤が同じ方向に回転する股関節の屈曲は、体を曲げてつま先に触れる際や、物を地面から拾い上げる際に見られる運動である(図B)。体幹を大きく曲げて腰椎が前方へ屈曲するとき、固定された大腿骨頭上で骨盤は前方へ回転する。
腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズム |
3,腰椎と骨盤が反対方向へ動く腰椎骨盤リズム
体幹を直立させたままに骨盤前傾させると、腰椎(ここでは前弯)と骨盤が反対方向へ回転し、固定された大腿骨のうえで骨盤は前傾する(図C)。骨盤は股関節の水平軸で前傾する。傾斜は、短い弧を描く運動を意味する。この動きは、以下の運動で容易に理解できる。腰椎と骨盤が反対方向へ動く腰椎骨盤リズム |
座位または立位の際、体幹や胸部を直立に保ったまま骨盤を前傾する。正しく行えれば、腰部はより伸展(前弯の増大)アーチ状となる。骨盤を前傾する際に、胸部や体幹を直立に保つには、腰椎を伸ばさなければならない。このように、腰椎は骨盤を大腿骨のうえで回転させる一方で、体幹を直立させたままでいる。
骨盤前傾の可動域は30°であり、可動域の大部分は腰椎伸展の柔軟性で決まる。
引用ここまで
股関節の屈曲エクササイズするときに、自分の骨盤と腰椎がどのように動くのかが理解できていると、安全に効率的に動かすことができます。腰椎骨盤リズムが狂った状態で勢いをつけて動いていると、構造が破綻してケガや故障の原因となります。