エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
前方屈曲に必要となる柔軟性:股関節と腰背部の作用 |
身体を床に向かって前方へ屈曲させるには、股関節や腰背部にある筋と、その他の軟部組織の柔軟性が重要な要素となる(図8ー53A)。図8-53Bは、股関節屈曲を制限するハムストリングスが緊張している状態(赤色の円)を表す。腰背部の柔軟性によって、体幹の前方屈曲の可動域がほとんど制限されないことに注目しよう。
これに相対する状態を図8ー53Cに示す。腰背部は硬いが(赤色の円)、股関節の柔軟性(たとえば、ハムストリングスの柔軟性)が増大することで、十分な量の前方屈曲が得られている。
図8-53BおよびCにおける、2つの代償的な前方屈曲姿勢は、理学療法の臨床にしばしばみらえる。そして、細かな観察を行うことで、セラピストは制限因子となる主要な部分を特定することができる。ある部位に異常がある場合、その他の部位に対する代償の要求が大きくなる。その結果、代償を行う部位へのストレスが原因となって障害が発現する可能性が出る。
なお、この図のように、運動の制限因子を特定するために動作を個々の構成要素に分解することは、重要である。
引用ここまで
2月の大阪ワークショップで説明が不十分だったので、前方屈曲に必要となる柔軟性:股関節と腰背部の作用 体幹屈曲時にみられる3つの骨盤腰椎リズム:運動学的な分析について引用しました。ハムストリングスが硬くて腰を丸めてしまう人、腰が硬くてハムストリングスを伸ばし過ぎてしまう人、そのどちらもがバランスを崩してしまいます。