エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
腰椎骨盤リズム |
腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズム
腰椎と骨盤が同じ方向に回転して股関節が屈曲する運動がある。この股関節の閉鎖運動連鎖は、固定された大腿骨のうえで体幹の可動域を有効に使いたいときに用いられる。例えば、体を曲げてつま先を触れたり、地面から物を拾い上げたりする際の運動である(図9-14A)。体幹を大きく移動させるために、腰椎と骨盤は同じ方向へ屈曲していることに注目しよう。
腰椎と骨盤が反対方向へ動く腰椎骨盤リズム
体幹は動かさずに直立させたままで骨盤を回転させると、固定された大腿骨のうえで骨盤が前傾する。この骨盤の回転は股関節の閉鎖運動連鎖による。しかし、この運動戦略の異なるところは、体幹が直立したままで骨盤が回転するところである(図9-14B)。体幹が動かないまま直立であるから腰椎は骨盤とは反対方向へ回転(骨盤前傾の場合は腰椎は前弯する)しなければならない。
引用ここまで
体幹の前後屈運動は、脊柱と骨盤・股関節の運動から構成される複合多関節運動です。腰椎骨盤リズムにおいて、Farfan は、体幹前屈 50 ~60° までは腰椎の屈曲により行われ,それ以上の前屈は骨盤の前方傾斜を伴うとしています。また岡戸らは、体幹前屈開始時から腰椎・股関節ともに運動し、70~ 90° 以降で腰椎の変化は減少し、股関節は前屈最終域まで運動すると報告しています。
股関節の可動域制限は体幹運動に影響を与える機能的要因であり、体幹前屈運動時の骨盤前傾運動を低下させ、腰椎屈曲運動を増大させます。体幹前屈運動における骨盤前傾運動は、股関節屈曲運動を伴います。股関節伸展筋である大殿筋やハムストリングなどの筋の伸張性低下は、骨盤前傾運動を制限します。
股関節屈曲可動域を増大させることで、体幹最大前屈位の骨盤前傾角度が増大します。体幹前屈時の腰椎骨盤リズムの破綻が原因となって発生するさまざまな問題に対して、股関節屈曲可動域を増大させることは有益だといえます。
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