ティーチングピラティス NAP Limited より引用します。
ヘッドノッディング(頭蓋脊椎関節のモビライゼーション)
目的
- 頭蓋脊椎関節の屈曲、伸展、回旋を促し、頸椎の安定性を改善する。
- 深部の頸椎安定化筋群のパフォーマンスを改善する。
- 両上肢荷重下での肩甲帯の位置と安定性を改善する。
- 独立した頸椎の運動中の、腹筋群のコントロールによる腰椎の安定性を改善する。
開始肢位
四つん這い位で、股関節約90°屈曲位、膝関節は股関節の幅以上には開かず、足部を後方に向ける。両手部は肩甲上腕関節の直下かわずかに前方に位置させ(上肢が比較的長い場合)、上肢はやや外旋位とする。肩甲帯の安定化筋群の活動を促すために、小指は軽く床に押し付ける。後頸部は頸椎の弯曲が保たれる状態で伸張し、表層筋群は比較的リラックスさせる。視線は母指の間に向ける(図4.44A)。
ヘッドノッディング:頸椎のアライメント |
動作
- 息を吸う:準備段階
- 息を吐く:骨盤底筋群および下部腹筋群が腰椎の安定性を高めるように、小指を床に押し付けて肩甲骨の安定性を高める。骨盤は中間位、頸椎および胸椎は正常な弯曲を保ち、頭頂部から尾骨まで脊柱を伸ばす。
- 息を吸う:頸部を屈曲するために後頸部を伸ばし、顎を頸部の付け根に向かって引く(これは、屈曲10°程度のわずかな運動である)。顎で床に線を引くようにイメージさせる。頸部の位置は変わらず、視線は頭部とともに動く(図4.44C)。
- 息を吐く:頸部を伸展し、頭部を中間位からわずかに持ち上げる(これは、伸展10°程度のわずかな運動である)。顎をわずかに上方に傾ける前に床に線を引くようにイメージさせる(図4.44D)。
5~10回繰り返す。
ヘッドノッディング:屈曲と伸展 |
注:環椎後頭関節の屈曲および伸展は環軸関節のわずかな屈曲と伸展を含むため、見かけ上の運動範囲が増加する。エクササイズ中、頸部の表層筋群は比較的リラックスさせ、視線は頭部とともに動かす。
ヘッドターニング(環軸関節のモビライゼーション)
目的
- 環軸関節の回旋を促し、頸椎の可動性を改善する。
- 深部の頸椎安定化筋群のパフォーマンスを改善する。
- 両上肢荷重下での肩甲帯の位置と安定性を改善する。
- 独立した頸椎の運動中に、腹筋群のコントロールによる腰椎の安定性を改善する。
開始肢位
四つん這い位で、股関節約90°屈曲位、膝関節は股関節の幅以上には開かず、足部を後方に向ける。両手部は肩甲上腕関節の直下かわずかに前方に位置させ(上肢が比較的長い場合)、上肢はやや外旋位とする。肩甲帯の安定化筋群の活動を促すために、小指は軽く床に押し付ける。後頸部は頸椎の弯曲が保たれる状態で伸張し、表層筋群は比較的リラックスさせる。視線は母指の間に向ける(図4.45A)。
ヘッドターニング:開始肢位 |
- 息を吸う:準備段階
- 息を吐く:骨盤底筋群および下部腹筋群が腰椎の安定性を高めるように、小指を床に押し付けて肩甲骨の安定性を高める。骨盤は中間位、頸椎および胸椎は正常な弯曲を保ち、頭頂部から尾骨まで脊柱を伸ばす。
- 息を吸う:後頸部を伸ばし頭部を右に回旋させる。頭部と第1頸椎が1つのユニットとして動くようにイメージさせる。頸部の位置は変化せず、視線は頭部とともに動く(図4.45B)。
- 息を吐く:頭部を中間位に戻す。
左側で繰り返す。5~10回繰り返す(図4.45C)。
左右へのヘッドターニング |
よく起こる問題
■過度の頸椎屈曲および伸展:頭頸部が木の操り人形のようになっていて、動かない頸部の上で頭部がうなずいたり回旋するようにイメージさせる。
■可動性の制限:上半身や肩甲帯の正しい位置と安定性を確保する。頸部の表層筋の緊張を緩めるように指示を与える。視線を用いて可動性を補助させる。快適と感じる可動域内で運動を行う。頸部の脊柱起立筋強化のための静的エクササイズを行う(背臥位にて前頭部に対する徒手抵抗に抗して頭部を持ち上げる、あるいは顔面側部の徒手抵抗に抗して頭部を回旋させる。または頭部を床か壁に対してまっすぐ後方に押し付けるなど)。
引用ここまで
環椎後頭関節:後頭骨底部にある後頭骨顆と第1頸椎(環椎)上部にある上関節窩による関節であり、背骨の最上部で頭部を支えたり動かしたりしている。
環椎後頭関節 |
環軸関節:首の骨である環椎(第1頸椎)と軸椎(第2頸椎)からなる関節であり、第2頸椎から前方へ伸びる歯突起および種々の靭帯により安定性が保たれている。 頭部の回転運動を担っており、頚部のなめらかな動きを可能にしている。
環軸関節 |
環椎後頭関節では、環椎上を滑るように後頭骨が動きます。しかし、この動きが悪く、屈曲(前に曲げる)や伸展(後に曲げる)の動きが制限されている人がいます。後に曲げた時の痛みを訴えることが多いのですが、実は前にも曲げにくい場合がほとんどです。全体としては首を前に曲げることができるのですが、環椎後頭関節部では屈曲が制限されているという状態です。
いわゆる下部頸椎屈曲位+上部頸椎過伸展位です。
頭部前方位姿勢:上部頸椎過伸展 |
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