2026年5月17日日曜日

12対の脳神経

 脳神経は「感覚神経(純感覚性)」、「運動神経(純運動性)」、そして両方の機能を持つ「混合神経」に分類されます。

​I. 嗅神経(きゅうしんけい)/ Olfactory Nerve

  • 分類: 感獄(Sensory)
  • 機能: 嗅覚(におい)を脳に伝えます。

​II. 視神経(ししんけい)/ Optic Nerve

  • 分類: 感覚(Sensory)
  • 機能: 視覚(目で見える情報)を脳に伝えます。

​III. 動眼神経(どうがんしんけい)/ Oculomotor Nerve

  • 分類: 運動(Motor)
  • 機能: 眼球の動き(上下内側)、まぶたを上げる動き、そして瞳孔の収縮(対光反射)をコントロールします。

​IV. 滑車神経(かっしゃしんけい)/ Trochlear Nerve

  • 分類: 運動(Motor)
  • 機能: 上斜筋という筋肉を動かし、目を目線より「下・内側」に向ける動きをコントロールします。

​V. 三叉神経(さんさしんけい)/ Trigeminal Nerve

  • 分類: 混合(Mixed)
  • 機能: 顔全体の皮膚の感覚(触覚や痛み)を伝えるほか、咀嚼(食べ物を噛む筋肉)を動かします。※3つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)に分かれるためこの名がついています。

​VI. 外転神経(がいてんしんけい)/ Abducens Nerve

  • 分類: 運動(Motor)
  • 機能: 外直筋を動かし、目を外側(耳の方向)に向ける(外転)動きをコントロールします。

​VII. 顔面神経(がんめんしんけい)/ Facial Nerve

  • 分類: 混合(Mixed)
  • 機能: 顔の表情を作る筋肉を動かします。また、舌の前2/3の味覚を伝え、唾液や涙の分泌も促します。

​VIII. 内耳神経(ないじしんけい)/ Vestibulocochlear Nerve

  • 分類: 感覚(Sensory)
  • 機能: 聴覚(耳で音を聞く)と、平衡感覚(体のバランス・めまいなどに関わる)を脳に伝えます。(前庭蝸牛神経とも呼ばれます)

​IX. 舌咽神経(ぜついんしんけい)/ Glossopharyngeal Nerve

  • 分類: 混合(Mixed)
  • 機能: 舌の後ろ1/3の味覚と感覚を伝えます。また、飲み込み(嚥下)の動きや、唾液の分泌に関わります。

​X. 迷走神経(めいそうしんけい)/ Vagus Nerve

  • 分類: 混合(Mixed)
  • 機能: 脳神経の中で最も長く、お腹まで「迷走」している神経です。喉や発声(声帯)の筋肉を動かすほか、心臓、肺、胃腸などの内臓(胸腹部内臓)の働きを調節する副交感神経として非常に重要です。

​XI. 副神経(ふくしんけい)/ Accessory Nerve

  • 分類: 運動(Motor)
  • 機能: 首や肩にある「胸鎖乳突筋」と「僧帽筋」をコントロールし、首を振る、肩をすくめるなどの運動を担当します。

​XII. 舌下神経(ぜっかしんけい)/ Hypoglossal Nerve

  • 分類: 運動(Motor)
  • 機能: 舌の筋肉を動かします(言葉をしゃべる、食べ物を口の中で転がすなど)。

​💡 臨床で役立つクイックまとめ

​ 医療系(解剖学)の勉強でよく問われるポイントを整理しました。

感覚だけ (Pure Sensory)

I(嗅), II(視), VIII(内耳)

目を動かす神経 (Eye Movements)

III(動眼), IV(滑車), VI(外転)

味覚を担当 (Taste)

VII(顔面=前2/3), IX(舌咽=後ろ1/3)

副交感神経の繊維を含む

III(動眼), VII(顔面), IX(舌咽), X(迷走)


 日本の医療系学生の間では、「嗅いで視て、動く滑車の三つの外、顔耳(内耳)喉(舌咽)迷う副舌」といったゴロ合わせで順番(I〜XII)を覚えるのが定番です。