2026年5月8日金曜日

前鋸筋:肩甲骨コントロールのバイオメカニカル・エンジン

前鋸筋を理解する3つのポイント

​1. 「肩甲骨の接着剤」としての役割

​ 前鋸筋は、肩甲骨を肋骨(胸郭)にピタッと押し付ける役割をしています。これができないと、肩甲骨が浮いてしまう「翼状肩甲(よくじょうけんこう)」になり、肩の土台がグラグラになります。土台が不安定な状態で腕を動かすと、肩を痛める原因になります。

​2. 肩のインピンジメントを防ぐ「上方回旋」と「後傾」

​ 腕を高く上げるとき、肩の骨(肩峰)と腕の骨(上腕骨)がぶつからないように、肩甲骨が「上を向きながら、後ろに倒れる」という複雑な動きをします。この動きを主導するのが前鋸筋です。四十肩・五十肩やスポーツでの肩の痛み(インピンジメント症候群)の多くは、この前鋸筋がうまく働かないことで起こります。

​3. 全身のパワーを伝える「中継地点」

 ​パンチや投球動作のように、下半身で作った力を腕に伝える際、前鋸筋が「体幹」と「腕」をしっかり連結させるブリッジになります。姿勢が悪くなって猫背になると、この筋肉がうまく力が入らない長さになってしまい、パフォーマンスが落ちるだけでなく、首や肩への負担が増えてしまいます。