2021年4月27日火曜日

身体が前進する推進力は、股関節、大腿、膝関節、下腿、そして足部と母趾からつくり出されます。長母趾屈筋は、これらの力の方向づけに重要な役割を果たしています。

長趾屈筋・長母趾屈筋

■長趾屈筋

起始:脛骨後面中央

停止:4つの足底面の腱を経て、第2~5末節骨の基部

作用:第2~小趾の中足趾節関節と趾節間関節の屈曲、足関節の底屈、足部の内返し

 長趾屈筋は腓腹筋やヒラメ筋よりも深層、後脛骨筋よりも内側を通っています。後脛骨筋と長母趾屈筋に沿って足根管を横切っており、並走するこの3つの筋肉は足部の内返しと足関節の底屈を行ないます。長趾屈筋は中足趾節関節と趾節間関節の屈曲も行っています。

 長趾屈筋は内側縦アーチの動的安定力を生成するいくつかの筋肉の1つです。歩行やランニング、ジャンプなどの荷重運動時に活性化し、足部の回内運動のコントロールを行ないます。接地面がどのような形状でもバランス調整や足部固定ができるよう、足部の他の内在筋と共に働きます。

■長母趾屈筋

起始:脛骨後面遠位、下腿骨間膜

停止:第1末節骨基部の足底部

作用:母趾の中足趾節関節と趾節間関節の屈曲、足関節の底屈、足部の内返し

 長母趾屈筋は腓腹筋やヒラメ筋よりも深層、後脛骨筋よりも外側を通っています。後脛骨筋と長母趾屈筋に沿って足根管を横切っており、並走するこの3つの筋肉は足部の内返しと足関節の底屈を行ないます。長母趾屈筋は中足趾節関節と趾節間関節の屈曲も行っています。

 長趾屈筋は内側縦アーチの動的安定力を生成するいくつかの筋肉の1つです。歩行やランニング、ジャンプなどの荷重運動時に活性化し、足部の回内運動のコントロールを行ないます。接地面がどのような形状でもバランス調整や足部固定ができるよう、足部の他の内在筋と共に働きます。

 長母趾屈筋は、歩行時や身体の推進時に踏み切りを行なう主動筋です。重心の位置は、踵から移動し、足部を越え、立脚相の最後には母趾まで移動します。身体が前進する推進力は、股関節、大腿、膝関節、下腿、そして足部と母趾からつくり出されます。長母趾屈筋は、これらの力の方向づけに重要な役割を果たしています。

※参考文献 「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」

 足底で長母趾屈筋と長趾屈筋が足底で交差するところを足底交叉といいます。舟状骨と第1楔状骨の下方となります。足底交叉付近の滑走性が悪化した場合(長母趾屈筋腱・長趾屈筋腱間滑走不全)、足首の背屈制限(すねのほうに足首が曲がらない)という現象が起きるようです。長母趾屈筋と長趾屈筋距骨後方を走行しています。滑走性が悪化すると、足関節背屈時の距骨後方滑りを阻害することになります。この結果、可動域制限が起きるようです。

 また、足趾を過剰に屈曲させて動作支持を行なっている場合も、長母趾屈筋と長趾屈筋が固まっていると考えてよいかと思います。内果後方・屈筋支帯で、後脛骨筋の下方に長趾屈筋・長母趾屈筋、足底・舟状骨下面では長母趾屈筋にかぶさるように長趾屈筋が4趾の末節骨底に付着します。ゴルフボールなどで長母趾屈筋をしっかりとおさえた状態で、4趾の屈曲・伸展を繰り返すようにすることが推奨されております。