2021年4月18日日曜日

後頭下筋群の柔軟性とバランス不良は、認知障害、痛みを引き起こす可能性があります。

 

後頭下筋群

■大後頭直筋

起始:軸椎(C2)の棘突起

停止:後頭骨の同側への回旋

作用:頭部の伸展(両側の活動)、頭部の同側への回旋(片側の活動)

 大後頭直筋は4つの後頭下筋群の1つです。他の3つの後頭下筋群には、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋が含まれます。これらの筋肉は共に頭蓋と頸椎のアライメントを維持し、頭部の細かい動き、たとえば歩行時に道の状態を見る際の動作などを生み出します。これらの動きは、特に身体が動いている際、頚部の空間位置を維持するために重要です。

 大後頭下筋群直筋はC2から後頭骨の間に斜め方向に位置します。主に姿勢に関与する筋肉であり、環椎後頭関節環軸関節の安定を助けます。また、上位椎孔と大後頭孔の相対的な位置を維持します。この部位の適切なアライメントは、血液と脳脊髄液(脳と脊髄のクッションとなり、また栄養を供給する)の流れをサポートします。後頭下筋群の柔軟性とバランス不良は、頭痛や認知障害、痛みを引き起こす可能性があります。

■小後頭直筋

起始:環椎弓の後結節

停止:後頭骨の上項線と下項線の間

作用:頭部の伸展

 小後頭直筋は、大後頭直筋のように斜めに位置しています。しかしながら、この筋肉はより内側にあり、C1から後頭骨まで伸びています。他の後頭下筋のように主要な役割は姿勢保持であり、環椎後頭関節の安定を助けています。

■上頭斜筋

起始:環椎(C1)の横突起

停止:後頭骨の上項線と下項線の間

作用:頚部の伸展(両側の活動)、頭部の側屈(片側の活動)

 上頭斜筋は他の後頭下筋よりも垂直に位置するため、回旋筋としてよりも伸筋や側屈筋として効果的です。また、後頭下筋群で最も浅層に位置しています。大後頭直筋(内側)、下頭斜筋(下外側)、上頭斜筋(上外側)は頭蓋底の深層で後頭下三角を形成しており、これは安定性に寄与します。

■下頭斜筋

起始:軸椎(C2)の棘突起

停止:環椎(C1)の横突起

 他の後頭下筋とは異なり、下頭斜筋は後頭骨に付着部を持ちません。C2の棘突起からC1の横突起に連結しています。下頭斜筋の筋繊維は平行に近い斜めに走行しており、効果的な回旋筋です。C1の横突起がC2の棘突起に引かれるとき、頭部と頸部は(「いいえ」と頭を振るように)回旋します。

※参考文献 「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」


 認知機能とは、記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの知的な能力を指します。認知機能障害に陥ると、生活・社会活動全般に支障をきたします。ある情報や刺激に対して、過去の記憶の情報に適切に照合することができないことによる思い込み。周囲のさまざまな情報や刺激に対して、どうでもいいことを無視して必要なものだけに注意を集中することができません。さまざまな情報に対して、類似点と相違点を区別して物ごとを分類して概念化する機能が障害されるため、過去の類似の体験に基づいての対応ができません。