2021年4月25日日曜日

爆発的な力を生み出す腓腹筋。スクワット動作が必要な理由。

 

右脚の腓腹筋の付着部
■腓腹筋

起始:内側頭;大腿骨内側顆後面/外側頭;大腿骨外側顆後面

停止:踵骨隆起後面(アキレス腱経由)

作用:足関節の底屈/膝関節の屈曲

 腓腹筋は下腿三頭筋のうち最大で、最も浅層にある筋肉です。下腿三頭筋には足底筋とヒラメ筋も含まれ、収束してアキレス腱となり、踵骨後面に停止しています。

 腓腹筋はとても力強い二頭筋で下腿後面を支配しています。その二頭部は下方のアキレス腱まで容易にたどることができます。腓腹筋は主に速筋繊維で構成され、急速な力を引き出せますが、疲労するのもはやいです。この特徴は、爆発的な力を生み出すのに役立ちます。

 底屈時に、ヒラメ筋は腓腹筋に対し共動筋となります。これら2つの筋肉のどちらが活発であるかは、膝の状態によって異なります。膝が伸びようとしているときや、座位から立ち上がろうとしているとき、もしくはジャンプ動作時)は、腓腹筋のほうが活発である。一方で、膝が屈曲している場合(力を抜いた状態や立位停止時)は、ヒラメ筋のほうが活発です。

※参考文献 「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」

ハムストリングスの付着部

 膝が屈曲すると、大腿の筋筋膜と下腿の筋筋膜は別々に機能します。膝が伸展すると、これらの筋筋膜はつながり、空中ブランコ曲芸師が手を組み合わせるように、1つの接続した機能単位となります。配置は本結びに似ており、きつい結び目ができますが、容易に解くこともできます。
※参考文献 「アナトミートレイン第3版 医学書院」

 膝関節が屈曲された状態では、体重の負荷が脚と足に加わります。腓腹筋とハムストリングス筋群は、共動して膝関節の伸筋として作用します(解剖学的位置に戻ります)。体重の負荷が加わらないときには、腓腹筋とハムストリングス筋群は膝関節の屈筋として作用します。
 踵骨を引き、距骨下で底屈させます。その際、内反の傾向がみられます。そして、間接的に距骨を底屈させます。この2次的な作用は、実際、関節により可動性を与えるため、最初の作用より重要な役割をもちます。
※参考文献 「新・動きの解剖学 科学新聞社」