2024年1月8日月曜日

去る者を追えば追うほど、去る者に執着すればするほど、去る者に依存するほど不幸になる。

■諸行無常
 世の中のいっさいの造られたものは常に変化し生滅して、永久不変なものはないということ。
 この現実の世界のあらゆる事物は、種々の直接的・間接的原因や条件によってつくりだされたもので、絶えず変化し続け、決して永遠のものではないということ。


……なんですが、こんな解釈の動画があります。


■群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)
 多くの盲人が象をなでてみて、その手にふれた部分だけで象のことをうんぬんするように、凡人は大人物や大事業の一部分しかつかめず、大局からの見方はできないということをたとえていった。「北本涅槃経」巻三二、「菩薩処胎経」巻三

 物や人の価値は、それを誰が評するかによって変わります。他者評価を基準にして生きていると、自分には価値がないと感じやすくなります。


  「自分には価値がない」と感じている人は、去っていく人を追いかけがちです。多くの人が書いていますが、「あなたの価値を理解できない人・価値を認めない人」が去っていくのはむしろ良いことなのです。価値があると思ってくれている人たちに囲まれて暮らす方が、ずっと幸福なことなのは自明の理なのですから。

 祗園精舎の鐘の声、

 諸行無常の響きあり。

 娑羅双樹の花の色、

 盛者必衰の理をあらは(わ)す。

 おごれる人も久しからず、

 唯春の夜の夢のごとし。

 たけき者も遂にはほろびぬ、

 偏に風の前の塵に同じ。

 祇園精舎の鐘の音には、諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。

 沙羅双樹の花の色は、どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。

 世に栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、春の夜の夢のようである。

 勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。

 他者から受ける評価も、絶賛されたかと思えばこき下ろされたりと栄えは続かず衰えるものです。また、その逆もあります。人の気持ちは絶えず変化しているからです。

 自己評価=自分で自分を評価すること。

 他者評価=他人が自分を評価すること。

 評価は客観的な指標のみでなされるものではありません。なので、自己評価と他者評価が完全に一致することはありません。

 自己評価の高さに対して他者評価が著しく低いと感じると、正当に評価されていないと不満感をもちがちです。逆に、低い自己評価に対して他者評価が高すぎると感じると、無駄に緊張してしまいがちになります。

 自己評価が高すぎる人がよく勘違い発言や行動を繰り返して、人生の質を下げているのを観察できると思います。高すぎる自己評価と低い自己肯定感が結びついてしまうと、問題が起きやすくなります。

 自己肯定感(自分自身の価値や能力を認識し、肯定する心の状態)が高い人は、自分自身を尊重し、自分の意見や感情を大切にする傾向があります。自分自身を他人と比較しないという特徴があります。自己に対して肯定的な評価を抱いており、自分自身を価値ある存在として捉えているからです。

 対人関係においては、自尊感情の高い人は、他人からの賞賛や批判にさほど左右されず感情が安定しています。しかし、自尊感情の低い人は、ほめられるとその相手が良い人に思え、けなされると悪い人に思えるようなところがあり、感情的にも不安定な傾向があります。

 感情的に不安定な人が「去る者」になりやすいのは、自尊感情の低さにその一因があるのかもしれません。

 人生の質を高めたいのであれば、他人からの賞賛や批判にさほど左右されず感情が安定している人たちに囲まれて生きていくとよいと思います。