アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。
■自己内面感覚を認識するためのツール 302P
緩徐運動 ボディワークにおいてスピードは感受性の敵である。ゆっくり進めるほど、たくさん感じることができる。ヨーガや太極拳のようにゆっくりした運動を実践するとき、意識を実際のシークエンスよりも先に進ませると(固有受容の側面)、運動が体内でどのように感じらえるかということに注意を向けることができる(内受容の側面)。手技をスローダウンし、深く聴くことができるようにしてみよう。徒手療法を実施している場合は自分の手で他者の声を、運動であれば自分自身の声や対象者の声を。
単純瞑想呼吸 動きのスローダウンを呼吸に応用すると、自律神経系にとりわけ効果的である。吸気時の吸い込む空気の涼しさと、呼気時の空気の暖かさに集中し、ゆっくりとした呼吸の結果として、自己内面に生じる感情の変化に注目しよう。
ルーティンの変更 惰性に陥っている経験を精選し、何か新しいものに変化させる。ヨーガやトレーニングの特定シークエンスを反復的に実行すれば技能熟達が可能となるが、ルーティンを変えることによる斬新さを取り入れれば、深い聴取への道が得られる可能性がある。治療室内のマッサージ台の位置やセッション中に流している音楽を変えるだけでも、自己の内受容器意識の微妙な調整が得られる可能性がある。
セルフマッサージ セルフ筋膜リリースツール(フォームローラーやボール)を使用しているときに、運動をスローダウンして「自己を感じて」みよう。深い副交感神経性の反応のほか、固有受容と内受容をより深く聴き取るきっかけとなる。
引用ここまで。
背側骨間筋ほぐし(リフレッシュスティック) 飯塚ワークショップ |
今日の飯塚でのワークショップで、「ゆっくり動かさないと、どこがおかしくなっているかわからないまま通りすぎてしまうよ」というお話をしてきました。固まっている索状硬結を見つけるためには、自分が思っているスピードよりずっと遅く動かす必要があります。「ボディワークにおいてスピードは感受性の敵である。」というのはほんとにそうで、可能な限り、ゆっくり深めていくことが大切だと思います。
明日の下関ワークショップはじめ、各地のワークショップでセルフ筋膜リリースツール(フォームローラーやボール)の使い方の解説をしてまいります。