2022年12月18日日曜日

美しい顔と胸をつくる。お腹の緊張をほぐし、恥骨から耳の後ろの骨(乳様突起)を遠ざける。

 ビジュアルでわかるトリガーポイント治療 緑書房 より引用いたします。

■腹直筋の作用 114P
・胸腰椎を屈曲する
・胸郭を押し下げる
・骨盤を安定させる(歩行時)
・拮抗筋:脊柱起立筋

■腹直筋の関連痛パターン 114P
上部繊維:背部に出現する痛み(胸椎領域に出現し、水平上〈帯状〉に広がる痛み。胸やけや消化不良として感じられることもある。
下部繊維:腰部に出現する痛み(月経困難症の際に恥骨と臍の間に出現するような痛み)
腹直筋のトリガーポイントと関連痛領域

■適応 115P
 胸やけ/疝痛/月経困難/吐き気/嘔吐/膨満感/背部の痛み(水平上/帯状)/下位交差パターン/肋骨の痛み/精巣痛/横隔膜と呼吸の問題

■原因 115P
 直接外傷を受ける/姿勢/内臓下垂症(一般的にスポーツの練習のしすぎ)/間違った腹筋運動の方法/長時間脚を組んで座る/咳/感情的ストレス/腰痛/腹部の術後


■外腹斜筋の作用 110P
・腹部を圧迫し、腹圧をかけることで重力に対して内臓を支える補助をする
・体感を側屈、対側回旋する

■外腹斜筋の関連痛パターン 110P
・内臓痛に類似した痛みとして感じられる
・肋骨縁周囲のトリガーポイント:胸から腹部に広がる痛み
・下腹部外周のトリガーポイント:精巣や下腹部に出現する痛み
・恥骨縁周囲のトリガーポイント:膀胱や鼡径部に出現する痛み(頻尿/残尿感として感じられることもある)
外腹斜筋のトリガーポイントと関連痛領域

■セルフケアテクニック 115P
①筋繊維の方向を解剖学的に確認する。
②胸郭から下方へ、痛む場所や硬結(ノット)を明確にし、確認する。
③確認された硬結を母指を使って、小さくすくい上げるようにする。
④痛みのある硬結(ノット)では痛みが弱まるまで圧を留め、停止部までストローク(軽擦)を続ける。

引用ここまで

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 腹直筋は、「燃え尽きるまで持続しようとする」仲間の集団によって過剰な運動を強いられたり、徒手セラピストから十分に治療されなかったりする気の毒な筋肉である。

 腹直筋を見る場合、筋自体の緊張と腹直筋の前後にある2つの鞘の解消と、3つの部分に分けて調べなければならない。「シックスパック」の腹筋群である腹直筋が平らであれば、浅層筋膜と筋自体の緊張が大きいことが疑われる。腹直筋が膨らんでいる場合、筋の緊張を調べなければならないが、筋後面で深層の腹横筋膜が短縮している可能性が高い。66P

 腹部が突き出し、筋の緊張が低く見えるとしても、腹直筋後壁がきわめて大きな緊張を示し、締まっており、呼吸の制限や背部の牽引などの一因となっている可能性がある。

 腹直筋が付着し、腹筋膜が胸筋膜と一体化する余分な付着部を可動解放すると、多くの場合、呼吸運動を促進することができる。69P

 Feldemkraisは、「負の感情はすべて、屈曲として現れる」と述べている。怒りによる前かがみ状態、うつ状態によるうなだれた姿勢、恐れによる身を縮めた姿勢は数多く、様々な形態でみられる。これらはすべて屈曲に関与する。75P

 しかし、Feldenkraisの観察には注目すべき例外がある。すなわち、負の感情は通常、上頸部の屈曲ではなく過伸展を引きおこす。これは驚愕反応と呼ばれる反応にきわめてはっきりと見ることができる。

 明らかなことは、驚愕反応は全体的な屈曲反応ではなく、より正確に見えるのはSFL上での短縮と緊張であるということである。この反応全体は、乳様突起が恥骨に近づけられることからはっきりと示される。これは前面で器官を保護するのみならず、頸を退縮かつ過伸展させ、頭を前方に下げる。76P

 SFLの筋も頻繁にこの反応にも関与し、肘の屈曲や肩の保護もこの全体像に当てはまる。したがって、驚いた人の全身姿勢は、頸上部の過伸展に加えて、下肢が硬直し、体幹と腕が屈曲する。

 問題は驚愕姿勢が維持される場合に生じる。人間は長時間にわたり、完全にかつ反復してこの姿勢を維持できる。この姿勢とこれが変化した型は、ほぼすべての人間の機能にマイナスの影響を与えるが、特に、呼吸はSFLの短縮で制限される

 ゆったりとした呼吸は、肋骨の上向き運動や外向き運動、骨盤と呼吸横隔膜との相互関係によって決まる。短縮したSFLでは、頭を前方に引き下げ、肋骨運動を制限する前後両面において代償性緊張が必要となる。防御的緊張が腹直筋を越えて下肢まで進む場合、鼡径部の短縮は呼吸横隔膜と骨盤底とのバランスを崩し、呼吸は極端に横隔膜前部に頼るようになる。

 実際、最初の驚愕反応は爆発的な呼息によってマークされている。持続的驚愕反応は呼吸サイクルの呼息期で止まる明確な姿勢的傾向を示す。これに続いてうつ状態を伴う可能性がある。

 SFLをゆっくりと完全に上行し、これらの組織をリリースする。SFLの各要素を上部から持ち上げられるようになることで、対象者の身体的負担要素をリリースすることができ、きわめて良好な結果を得られることが多い。77P

引用ここまで

頭部前方位姿勢では下顎が後ろに引かれる
胸鎖乳突筋が過緊張して短縮硬化する

 安部塾では、恥骨から乳様突起を遠ざける意識を持つように指導しております。理由は、引用させていただいた文章にある通りです。

 今日・明日の新宮校ワークショップと今週末の大阪・名古屋・神戸のワークショップで詳しく解説しますが、腹直筋の状態を観察することで、驚愕姿勢を維持しているかどうかを知ることができます。今回はリフレッシュスティックやマッサージボールを用いて、腹部のリリースをやっていきます。

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