アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。
多くのヒトで不完全に分離している中斜角筋と後斜角筋は、腰方形筋が腰椎を安定させるのと同じように、頭部を安定させ「頸方形筋」のような機能を持つ。177P
参考過去記事 → 強い腰をつくる。腰方形筋と大腰筋は腰椎の両側にほぼ垂直に走行し、強力な両側性収縮が腰を安定させます。
斜角筋群 |
しかし前斜角筋は前方に位置し、頭部前方筋として、中位と下位頸椎の横突起から第1肋骨付近まで走行し、下位頸椎屈曲と上位頸椎過伸展(一側が作用すると回旋)を引き起こし、頭部の維持作用を有する。177P
中斜角筋と後斜角筋は、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間で触知できる。中斜角筋は最外側にあるギターの弦様であり、頸椎下部の外側中央で触れられる。後斜角筋は中斜角筋の後外側のポケットに入り込む。中斜角筋と後斜角筋は、不完全に分離していることが多いため、1つの筋、いわゆる頸部の腰方形筋として単一筋の扱いで治療することができる。178P
斜角筋群 |
頭長筋と頸長筋は、頸部筋のなかで唯一、頸椎過伸展に拮抗する筋である。SBLとSFL(よくみられる胸鎖乳突筋の不適切な活動)は、上位頸椎の過伸展を引きおこす傾向がある。頭長筋と頸長筋(もちろん下方からの支持を伴う)が頭部、頸部、上背部の適切なアライメント維持に大きな役割を果たすことになる。177P
上位頸椎過伸展の対象者に対し、これらの筋を賦活し正常状態にする、あるいは「ミリタリーネック」、すなわち上位頸椎過屈曲の場合で、頭長筋と頸長筋の機能を正常化することは、徒手療法の専門家や身体に関する教育者の双肩にかかっている。177P
上のイラストで一目瞭然ですが、斜角筋群や胸鎖乳突筋が不適切な活動をしている人の顔は醜く歪みます(当人比)。姿勢とともに体型も崩壊します(当人比)。
頭長筋 |
引用ここまで
頭部前方位姿勢と頭部後方位姿勢 |
上のイラストで一目瞭然ですが、斜角筋群や胸鎖乳突筋が不適切な活動をしている人の顔は醜く歪みます(当人比)。姿勢とともに体型も崩壊します(当人比)。