1. 「3つのコアメッセージ」
① 「同じ糖質・カロリーでも質が違う」
一般的な栄養学では「炭水化物=すべて糖質」として一括りにされがちですが、「デンプン(ブドウ糖の連なり)」と「ショ糖(ブドウ糖+果糖)」は体内での働きが全く異なります。
ショ糖を完全に排除してデンプンだけに置き換えると、カロリーが同じであっても、かえってインスリン抵抗性(糖尿病のきっかけ)や腸内環境の悪化、脂肪肝を引き起こすという動物実験データが示されています。
② 「果糖(フルクトース)は代謝のエンジンを回すスイッチ」
果糖は「太る原因」として嫌われがちですが、適度な果糖には以下のような重要な役割(代謝の活性化)があると述べています。
- 肝臓のスイッチを入れる: 肝臓で糖をエネルギーに変えたり、蓄えたりする酵素(グルコキナーゼ)を活性化する。
- 代謝を高める: 甲状腺ホルモンを活性化させ、基礎代謝(体温やエネルギー産生)を維持する。
- ミトコンドリアの完全燃焼: ブドウ糖と果糖が揃うことで、細胞の発電所である「ミトコンドリア」が効率よくクリーンにエネルギーを生み出せる。
③ 「糖を絶つと、体は非常事態モードになる」
身体から糖(エネルギー)がなくなると、体はストレスホルモン(コルチゾール)を出して自分の筋肉を分解し、無理やり糖を作ろうとします(自傷的な生存戦略)。また、糖の代わりに脂質ばかりを燃やす代謝に偏ると、肝臓に負担がかかり、かえって炎症や脂肪肝(NASH)が進むリスクがあると説明しています。
2. なぜ「砂糖悪玉説」が生まれたのか?
「良い甘み」と「避けるべき甘み」は明確に区別できます。
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種類 |
例 |
体への影響(筆者の主張) |
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自然の甘み・質の良いショ糖 |
熟した果物、蜂蜜、良質な砂糖 |
ミトコンドリアの燃料となり、代謝や腸内環境を整える「上質な燃料」。 |
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加工された人工的な甘み |
清涼飲料水などに使われる「果糖ブドウ糖液糖(HFCS)」 |
代謝を低下させる物質が含まれており、過剰摂取は当然有害。 |
つまり、「清涼飲料水をガブ飲みすること」と「日常で果物や蜂蜜、適度な砂糖を摂ること」を同列に扱って一律に「砂糖=悪」とするのは間違いです。
3. まとめ
「太陽の光と同じで、浴びすぎ(過剰摂取)は火傷するが、完全に遮断(無糖・極端な糖質制限)すると体が病んでしまう」
糖尿病や脂肪肝などの慢性病は、「糖の摂りすぎ」ではなく、むしろ「細胞が糖をうまくエネルギーに変換できなくなったこと(糖代謝の不全)」が原因であり、そのエネルギー代謝を正常に回すためには、適度なショ糖や果糖(自然な甘み)が不可欠なのです。
補足(科学的見地からのバランス)
この主張は、近年の「極端な糖質制限(ケトジェニック等)」に対する強いカウンター(反論)となっています。ただし、個人の体質や現在の血糖状態、運動量によって最適な栄養バランスは異なります。極端に「糖を敵視する」ことも「いくらでも食べていい」と解釈することも避け、**「質の良いものを適量摂る」**という視点が大切だと言えます。