ファッシャル・リリース・テクニック 医道の日本社 75Pより引用いたします。
解剖学においては、ほとんどの場合、脊椎は椎間板が間に挟まった一連の椎骨であると考えられている。しかし、実際は正反対である。つまり、脊椎とは椎骨が間に挟まった一連の椎間板なのである。系統発生的にみても、個体発生的にみても、まず最初にくるのは椎間板である。
もともと、脊椎は1本の長い椎間板であった。外を覆う丈夫な膜は、四方八方に走る繊維で織られた一連の層からなっていた。左にらせんを描く繊維、右にらせんを描く繊維、縦に走る繊維、円を描く繊維などさまざまである。これらの層の中には、どろどろの液体の中心部があったが、初期の脊索動物の身体の中心において、動作を支える丈夫な骨組みをつくっていた。
椎間板は、日常生活において損傷しやすい、原始的な構造体である。損傷の衝撃にも弱い。
引用ここまで
脊柱は椎骨が間に挟まった一連の長い椎間板 |
一般的には、「椎間板は、椎骨と椎骨の間にあります。 椎間板の中心にはゼリー状の髄核(ずいかく)があり、その周辺は線維輪(せんいりん)で層状に覆われています。 脊椎にかかる負担をやわらげるクッションの役割をすると同時に、脊椎が動くことを可能にしています」というような説明がなされていると思います。
「椎間板変性とは、椎間板が摩耗して水気を失いつぶれてしまう状態です。椎間板がつぶれてしまうと、椎骨のへりに鳥のくちばし(餃子の羽根のようなイメージ)のような骨の出っ張り(骨棘:こつきょく)が現れてきます。さらに、複数の首の椎間板に厚みがなくなると、椎骨間が縮んで、後ろ側の靭帯(黄色靭帯)も縮んで肥厚(ひこう)し、ふくらみます」
椎間板変性 |
安部塾では、「脊柱をやわらかく使う」ように指示をします。椎骨の間に椎間板が挟まっていると思うと動きが悪くなるので、1本のチューブの中に椎骨が浮かんでいるイメージで動くように指示します。脊柱に限らず、すべての関節をつぶさないように長く伸ばすようにイメージします。
2月の各地のワークショップは、マニュアルセラピー(手技療法)と絡めた脊柱の使い方を解説いたします。