ビジュアルで学ぶ筋膜リリーステクニック2 医道の日本社 より引用いたします。
顎は非常に可動性が高く、主に軟部組織によってぶらさがっており、特に身体のアンバランスと緊張に影響を受けやすい。例えば、頚部のむち打ち症による不安定性に対する一つの反応である。これは咬筋、側頭筋、他の顎筋が下顎骨(頚部の舌筋、広頚筋、浅筋膜の付着部)を固定することによって傷ついた部位を引き締め、安定させることを試みるためである。191P
脊柱弯曲、骨盤筋の緊張、股関節の痛み、骨盤角度、姿勢のような問題は顎の機能と相関することが示されている。そのため、顎関節の痛みを施術する場合、いつもと同じく、全身のパターンも対象にする。他の多くの症状と同様に、顎の問題に対する全身のアプローチは、持続的で、満足できる結果をもたらすだろう。192P
顎の挙上筋と下制筋 |
下顎筋膜テクニックは、顎のセッションの締めくくりとなる。浅層から、深部の頚筋膜、耳下腺筋膜、頬咽頭筋膜まで、順番に各組織を対象にしていく。頭部と胴の筋膜が連続していることを覚えておく。191P
目的 191P
●顎の下制と挙上に関係している筋膜層を分離する。
●顎関節の非対称の運動(側方偏位)のバランスをとる。
●咬筋の過剰な安静時筋緊張を低下させる。
●全体的なストレスと交感神経の活性化を低下させる。
●他の顎施術を行った後に締めくくり、平衡感覚をもたらす。
引用ここまで
頭部と胴の筋膜は連続している |
安部塾では、顎の下制と挙上に関係している筋膜層の分離にこだわっております。引用文に書いてある通りなのですが、身体のこわばりと顎のこわばりには相関関係がみられるからです。ソフトタッチなマニュアルセラピーによりこわばりがほぐれていくにつれ、全身の調子も整ってきます。
見た目には何をやっているのかまるでわからない地味なテクニックですが、その効果は確実だと実感しております。