ビジュアルで学ぶ筋膜リリーステクニック2 医道の日本社 より引用いたします。
私たちは顎がなかったら、どこにいただろうか? 進化論版ヒトの誕生物語では、顎を持つ動物は長い間存在しなかった。ナメクジウオのような古くからの動物は、口はあっても、下顎骨はなかった。しかし、顎が出現すると一気に普及していき、現在、すべての脊椎動物は下顎骨を持っている(ヤツメウナギとメクラウナギを除く)。
顎は役立つものの、合併症も発症する。現代のヒトでは、主な合併症は顎関節・筋障害(TMJMDまたはTMD)や顎関節症候群である。これらの包括的な用語は、刺すような不快感、顎のクリック音、顎の痛み、耳痛、頭痛、胃の障害、などの症状を特徴とする病態を指している。157P
顎 |
次のことを考えてみよう。顎が頭蓋骨から軟部組織によりぶら下がっている。これにより、噛む、話す、嚥下するのに必要となる可動性を顎に持たせるが、ミスアライメントの影響も受けやすくなる。周囲の筋膜組織が協調できるほど分離されていない、または十分に弾力的でない場合、可動する顎は容易にずれてしまう。
咬合圧の強大な力は、顎のミスアライメントの影響を悪化させ、摩擦と圧力を増やし、関節円板と周囲の組織を拘束させる。その結果、組織の炎症、痛み、そして、矯正されなければ時間とともに、関節の損傷と変性を生じる可能性がある。158P
引用ここまで
顎関節のミスアライメント |
「口が十分開かない」
「口を開けたり閉じたりするときにクリック音(カクカクという音)がする」
「ものを食べると顎や筋肉が痛い」
……という症状からはじまり、頭痛、めまい、目の疲れ、鼻づまり、耳の詰まり感、のどの異物感、舌の痛み、口の渇き、首の痛み、肩の痛み、背中の痛み、腰の痛み……と、ひろがっていくという説があります。実際、顎の状態が良くなるにつれ、全身の症状が改善することがあります。
1月のワークショップで解説いたします。