「音楽を理解する、自分のものにするために、まず必要なことは歌ってみる、聴いてみるってことだったりとか、あと指を動かしてみるとか、すごく人間の本能的なところ? 本能的なところで経験をしたうえで、楽譜というものがあって、それっていうのはこういう風に書き表すことができるんだよっていう、この手順……順序なのかなって思うんだけれども、どうしても大人って、早く理解したがるから、理論のところで、先にしがみついちゃう。」
「理論大事なんだよ。僕ね、散々ディスられてんのこの動画で(笑)。理論は大事ですよ。そんなことわかってんの。そんなこと言ってないの(笑)。あまりにもそこにしがみつきすぎちゃって、そこから理解しようとする。まだ経験もしていないことを、理論で説明することなんてできないんだよね。後から言葉になって……言葉というのは理論そのものじゃないですか。だから、後から説明がついていくのでいいんだけれども、もうとにかくだから、ゆみ先生の素直さ、と後、めいこ先生のできない姿をさらけ出す(笑)……この、ハート(笑)。」
「理論って、めっちゃ大事なんです。理論って、ピラミッドの頂点ですからね。ピアノ始めたいって人は、ピラミッド飛び越えていきなり頂点に行けないじゃないですか。やっぱりその土台が大事だからね。そこがあった上での理論だね。」
「私は逆に、大人から始めることの利点というのは、理論がわかるということなんだと思うんです。ただね、理論がわかるんだけど、感覚的なことができないことの言い訳が理論になってちゃダメなの。大人の人って、割とそれ、しがちなの。ゆ、指が動かないから……でもこれはわかるぞみたいな……それじゃあダメ。理論は理論で、それを言い訳にしないで、やっていかないと、両方楽しめないよと思いますよね。」
引用文字起こしここまで
なるほどたしかに。
正しい姿勢をつくれる正しい動きができる人に対して、正しくない姿勢しかつくれない正しくない動きしかできない人がやれることは、理論武装して言い訳に使うということなのかもしれません。
実際に頭部中間位姿勢がつくれ、各関節を中間位にでき、りきまずに動ける人を、強度の頭部前方位姿勢で、各関節が中間位から変位してガチガチにりきんでいる人が謎の理論で否定している構図の一端がわかったような気がします。
「まだ経験もしていないことを、理論で説明することなんてできはしない」のです。
経験していない(実際にはできない)ことを、理論を学ぶことで理解しようとするのは無理があります。まずはできるようになって、後付けで理論的に説明するのが自然です。
というわけで、安部塾塾生講座やレッスンのスタンスを変えたいと思います。「とりあえず、まずはできるようになる。理論はそれからだ。」的な。これまでのやり方では、理論だけ学んで、わかったような気になってしまうという状況をつくりがちですから。
ドリル(特定の技能・能力を向上させるための反復練習)によって、実際にできるようになってから、それに言葉を当てていくという手順です。
いろいろ試行錯誤したいと思います。