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シンセサイザーに限らず、家などの建物や車などのモノと、私たちは意思の疎通ができると感じています。意思とは「あることを行いたい、または行いたくないという意向」の意味です。
「感情の波」とか「波長が合う」とか、私たちは何らかの振動を感じ取っています。感情の起伏が激しい人や波長が合わない人と一緒にいると、疲労しませんか?
固定した弦を同じ強さではじくと、何度はじいても同じ音が聞こえます。この決まった音の振動数のことを 「固有振動数」と言い、すべてのモノには「固有振動数」があります。
固有振動数とは、振動している物体が、1秒間に繰り返し運動する回数で単位は「Hz(ヘルツ)」です。
ただモノが存在するだけでは、モノ固有の振動数はモノに何の影響も及ぼしません。しかし、モノには何らかの外からの振動が加わると、その振動の影響を受けます。
固有振動数解析をすると、固有振動数と「固有モード形状」がわかります。固有モード形状とは、固有振動数でどのようなカタチで振動するかを表したものです。あるモノの固有振動数が、外部の振動の特徴的な周波数近辺になると、そのモノは共振を起こします。
まとめると、あるモノが自由振動した際に現れる、そのモノが持つ固有の周波数があって、外部からモノに強制振動を与えた際に、外部振動が固有振動数と一致すると、モノは共振(この時の周波数を共振周波数とも言います)して振幅が大きくなるということです。
共振は物体の固有振動数と同じ周波数の振動を受け続けることで起こるので、数値上は共振周波数=固有振動数と言えます。
振子などの振動するモノに外から周期的な力を加えると、その振動数がモノの固有振動数に近いほど外力のする仕事が有効に吸収されてモノの振動が激しくなります。共鳴ということもあります。
振動数の等しい音叉を二つ並べておいて、片方の音叉を鳴らすと、もう一方の音叉も鳴り始めるのはその一例です。バイオリンなどの弦楽器では,胴が弦の振動に共振することによって音のひびきを良くしています。また地震のとき、地震波の振動数が建物などの固有振動数と一致すると共振して激しく振動して、大きな損害を生ずることがあります。
振動をするということは、繰り返し変形するということです。繰り返し変形するということは、疲労するということです。振動はモノの疲労を引き起こす根本原因ということになります。
話を戻して、「シンセサイザーがたとえ生物学的な意味で生きていないとしても、何らかの意味で私たちと疎通できる意識がある」という確信を、私も持っています。
そんなわけで今月から、シンセサイザーの力を借りております。
「オシレータ(電圧制御発振器)で合成した波形を、フィルターでカットして音色を調節する」のが、シンセサイザーにおける周波数領域の基本的な音づくりになります。シンセサイザーは、生楽器より高音域の倍音成分が多いので、ローパスフィルターがよく使われています。電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator)は電圧で発振周波数を制御する発振器です。
シンセサイザーには「レゾナンス(Resonance)」というパラメーターがあります。ピーク(PEAK)やエンファシス(EMPHASIS)などと表記している機種もあります。共鳴、共振の意味があり、指定したカットオフ周波数付近の帯域を強調してくれます。レゾナンスは周波数帯域を持ち上げるだけでなく、フィルターで出力した音をフィルターの入力に戻して共鳴状態をつくっているのです。
レゾナンスをあげていくと、音の一番高い周波数帯域(カットオフした帯域)を強調することになり、倍音も加わって、わかりやすいクセのある音に変化します。どんどんクセが強くなっていきます。それに合わせてカットオフの指定値を動かすことで、特有の「ミョーン」「ビョーン」という音が生まれます。
シンセサイザーの音づくりにおいて、レゾナンスとカットオフはとても重要なパラメーターなのです。
詳細はこちらで → 音色を変化させる装置=フィルター - シンセサイザー入門
具体的に身体づくりに応用していくかは試行錯誤の最中です((笑))。