2022年11月16日水曜日

目の使い方、特に頸部の使い方によって残りの背部筋系の緊張パターンが決まる。

  昨年も書いた記事ですが、後頭下筋群のお話です。

→ 首こりと後頭下筋群~あごが引きづらい人は過緊張状態かも~眼球運動にも影響

 いま読んでも、頑張って書いてるなと自画自賛。

後頭下筋群

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 最深層後部頸筋は、SBL(スーパーフィシャルバックライン)全体の開放にきわめて重要であり、実際、後頭直筋と頭斜筋はSBLの機能的中心とみなすことができる。これらの筋組織には多く伸張受容器があり、眼球運動や残りの背部筋系間の協調ではこれらの組織の関与は不可欠であり、この中心的な役割は明確である。後頭下の最深層筋には筋組織1gあたり36個の筋紡錘があるが、大臀筋では1gあたり0.7個であると報告されている。このように、後頭下筋は臀筋の約50倍「賢い」と言えるだろう。47P

 頭は動いていなくても、大昔からある主要な筋は眼球運動に反応している。目を上下に動かすと、後頭骨稜下の筋系で異なる筋が同じように連動するのが感じられる。これらの筋を動かさずに目を動かそうとしても、およそ不可能である。眼球と後頭下筋とのつながりは椎骨が発生したときからあり、このつながりはきわめて不可欠であり、眼球運動によって後頭下筋の緊張が変化する。この深部神経の「プログラミング」を変化させることは困難であるが、視覚障害や読字障害、頸部の特定の問題では変化が必要な場合もある。残りの棘筋はこれらの後頭下筋の言うことを「聞いており」、後頭下筋のリードに従って機能する傾向がある。47-48P

 目の使い方、特に頸部の使い方によって残りの背部筋系の緊張パターンが決まる。これは、治療のなかで毎日見る多くの姿勢パターンにかかわってくる。すなわち、頸部をゆるめ、長さを調節することは、肩甲骨や背下部、さらには股関節に及ぶ頑固な問題に対処する鍵となる。48P

 頸と頭の収縮は、基本的な恐怖反応の1つである。動物の多くは、頭を収縮させて恐怖に反応する。ヒトも例外ではない。我々の多くは、小児期を過ぎても恐怖が消えることはないため、運動前の習慣としては、あるいは人類不変の姿勢の状態として発生するこの収縮は、社会的には認められるが注目はされず、非常にダメージを受けている状態として、ヒトの運動に組み込まれるようになっている。このような収縮の習慣は、きわめて根強く長年にわたっており、簡単には取り除けない。アレクサンダー・テクニークの教師たちによるこの問題に対する長年の取り組みは、心理学的で身体的に解放感を与えるという点では価値のあるものである。48P

 引用ここまで~他の内容も素晴らしいので、一読されることをお奨めいたします。

 安部塾では、「とりあえず、アイックスに言って視機能検査受けてみてください」と提案しております。理由は、引用を読めば一瞬で理解できるかと思います。

11月の各地のワークショップで、後頭下筋群のリリースの解説をしております。

☆新宮校ワークショップ(平日)

11月21日(月) → 詳細

 

☆大手門ワークショップ

11月23日(水・祝)→ 詳細

 

☆大阪ワークショップ

11月24日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

11月25日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

11月26日(土)→ 詳細


機能運動学大牟田サークル

11月27日(日) → 詳細