2018年9月6日木曜日

なぜ、慢性痛を訴える人は、相手の眼を見ないのか? 眼球運動と

脳研究に重要な役割を果たす装置表情認知とオキシトシンの関係から「絆」を考える - J-Stageより

 人間の扁桃体は、社会脳の一部として、自己を取り巻く社会環境や人物に対する価値評価を行っている。このため、表情認知においても扁桃体は重要な役割を担うと考えられてきた。表情には喜怒哀楽という感情に対応した様々なバリエーションが存在するが、ヒトを対象としたf-MRI等の非侵襲的な脳機能イメージングの検討から、ネガティブ(悲しみ、嫌悪等)、ポジティブ(幸福等)の表情に対して、扁桃体が活動することが報告されている。中でも、他者の恐怖表情は、切迫した脅威と遭遇していることを示すシグナルであり、迅速な検出と逃避などの情動行動が必要となる。扁桃体はこの恐怖表情の認知に特に重要な部位と考えられている。

 Adolphs(2005)は、両側扁桃体を損傷した患者に対して表情画像を示し、顔のどの領域を注視しているかについて検討した。コントロールとなった健常者は、画像の眼の領域を見ていたが、両側扁桃体患者は、眼の部分を見ていなかった。ヒトの白眼(眼球強膜)の領域面積は他の霊長類に比べて広く、角膜とのコントラストによって視線の方向や、表情による眼領域の変化を捉えやすいことが指摘されている。Whalenら(2001)は、白黒の二値化した眼のみによって恐怖表情を表した図でも、扁桃体が活性化することを報告している。これらの報告から、とくに眼の領域からの視覚刺激が重要であることがわかる。

 眼の領域からの情報が、表情認知において特に重要であるという事実は、乳児の顔認知、表情認知の発達に関する報告からも納得できる。子どもは他者の意図、関心を推測する能力を顔認知の発達とともに身につけていくと考えられている。生後6ヶ月の乳児も、眼周囲の変化で表情を区別していると考えられている。

 下垂体後葉で分泌されるオキシトシンは、(中略)。一方、視床下部室傍核に起始するオキシトシンニューロン(小細胞)は、広汎な脳領域(帯状回、扁桃体、海馬、腹側線条体、脳幹)などに投射し、神経調整作用を持つことが知られている。これらの脳領域にあるオキシトシン受容体にオキシトシンが結合すると、抗不安作用や社会的サポートのストレス軽減作用が増強され、向社会的行動(利他的行動)が促進される
 
オキシトシンを投与すると他者の眼周囲領域に対する注視頻度と時間が増加することが報告されている。表情を正確にとらえるために、眼周囲の情報は不可欠である。オキシトシンによって、眼周囲を見つめる時間と頻度が増すことは、眼からの情報処理に費やす割合を増やすことによって、表情認知の精度を上げようとする反応と考えられる。

引用ここまで



昨日の記事で書いた内容と合わせて理解するとわかりやすいと思います。

なぜ、慢性痛を訴える人が、相手の眼を見ないのか?

なぜ、相手の眼を見ない人が、利他的な行動をとることができないのか?

なぜ、利他的な行動がとれない人は、相手の表情認知の精度が低いのか?


そして、なぜ、慢性痛を訴える人が、表情をつくろうとするのか?


鍵となるのは、オキシトシンと扁桃体です。


今日の塾生講座に大物ゲストが来られるので、内容を一部事前公開します(笑)。


ストレス反応状態(闘争・逃走モード)のときは、大きな眼球運動は起きません。

対象に対して視点を固定するからです。

逆に言えば、のんびり眼球を左右に動かしている状態は、ストレスがない状態であるということになります。

安心・安全な状態だといえます。


ストレスフルな人は、眼球を動かしません(眼筋がひきつっていて動きません)。


ヒトのREM睡眠時に、眼筋が活発に動きます。

これに対し、身体の筋肉は弛緩します。

つまり、眼球運動によって身体の筋肉をリラックスさせることができるということです。

扁桃体の可塑性が増加し、ストレス感受性を低減できるということになります。


「頭を動かさずに眼球を左右に動かしながら、昔の嫌な体験を思い出してお話しする」ことで劇的な効果が得られる理由を解説します。


ものすごく手短に解説すると、こんな感じです。


脳研究に重要な役割を果たす装置より

「睡眠中の脳の活動をfMRIで測定する」というものです。睡眠中にはレム睡眠とノンレム睡眠が交互にあらわれます。このうちレム睡眠は「急速眼球運動」(Rapid Eye Movement)が見られる睡眠のことで、約90分の間隔で現れます。レム睡眠中に私たちは夢を見ます。夢を見ている時に眼球が動くのは、夢に現れる像を目で追っているからではないかという仮説が1950年代に立てられていましたが、その正否についてはまだ決着がついていません。

2002年ごろから始められた研究は、先ごろ論文としてまとめられました(Experimental Brain Research, DOI10.1007/s00221-008-1579-2)。この研究では、レム睡眠中の急速眼球運動に伴って一次視覚野に明瞭な活動が認められました。これは眼を閉じて眠っているにもかかわらず、我々が夢という形で鮮明な視覚像を体験する事を反映していると考えられます。さらに情動や記憶と密接に関連し、覚醒時の眼球運動でも通常は活動しない扁桃体や海馬傍回などの活動を確認できました(図2)。すなわちレム睡眠中の急速眼球運動は、単に眼がでたらめに動いているのではなく、眼が動くとともにこれらの領域が活性化してリアルな夢を生成していると考えられます。

引用ここまで


塾生講座に参加しない人には何のこっちゃなお話ですが、これを知っているのと知らないとでは、今後の人生の展開の桁が違います。

大物ゲストに会いに来てください(笑)。