2022年7月16日土曜日

理想的な姿勢「脊柱中間位・骨盤中間位」。背中の下部が、自然なカーブを描く。

  理想的な姿勢は、脊柱中間位・骨盤中間位を基本とすると考えています。骨が正しい位置に保たれることで、スタビリゼーション(安定性)が高まります。関節まわりの動きがスムーズに行なえる状態となります。関節がやわらかくゆるむソフトニング効果によるものです。

ニュートラル・スパイン

■ニュートラル・スパイン(脊柱中間位~理想的な背骨)

①あおむけで、膝を90°に曲げる。両足は平行。坐骨幅。

②背中の下部(腰椎)が自然なカーブ(アーチ)を描く(生理的弯曲)。床に押しつけられて平らになっていたり、強くアーチ状に反って床との間に隙間ができたりしてはならない。

③ニュートラル状態では、尾骨が床に向いてさがり、床とウエストの間に、てのひらの厚みの半分くらいの隙間ができる。

※背部の緊張が強く、脊柱の伸張、胸郭の床からの押しあげが生じている場合、呼吸を用いて脊柱筋のリラクセーションを得ることで、胸骨が脊柱に向かって落ち込み、肋骨が骨盤とともに正しい位置に修正される。腹筋群の長さと緊張が最適なものになる。

ニュートラルスパイン

【側方からの観察】
■上部脊柱が頸椎と胸椎の正常な弯曲を保ったまま伸張されている。
■頸部表層筋群がリラックスした状態で、あごがわずかに引かれている。
■視線はまっすぐ前方を向いている。
■正しい肩甲帯のアライメントで両肩はひらいて床面に向かって後下方に下制している。
■上肢は軽く肘が曲がった状態で体側に位置している。
■肩甲上腕関節はわずかに内旋位であり、てのひらは手指が腕のラインに沿った状態で床面を向いている。
■腰椎は正常な弯曲を保ったまま伸張されている(恥骨は上前腸骨棘と同じ横断上にある)

【頭部から足部までの観察】
■頭部、上部体幹、骨盤、下肢は、全身が左右対称になるよう位置している。
■頸部表層筋群がリラックスした状態で、あごがわずかに引かれている。
■視線はまっすぐ前方を向いている。
■各股関節軸(上前腸骨棘からわずかに内側の点)から膝関節の中央を通り第2趾と3趾の間に抜ける線上に、下肢と足部が置かれている。
■足底は床面と接しているため、体重は母趾球・小趾球・かかとの3点に分配されて荷重されている。